老猫は何歳から?7歳・11歳・15歳で変わることと、家でやる見直し

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キャットフードの棚に行くと、シニア用が3種類並んでいます。7歳から、11歳から、15歳から。8歳の猫を飼っている人は、ここで手が止まります。うちの子はもう老猫なのか、まだ成猫でいいのか。答えを先に言うと、国内の一般的な区分では7歳からです。ただしこの数字は、獣医学の国際的な区分とは3年ずれています。

【至急】この様子なら、読むより先に動物病院へ電話してください

次の様子は、時間単位で結果が変わります。夜間・休日でも、救急対応をしている動物病院へ。

  • トイレに何度も入るのに尿が出ない、少量しか出ない、鳴きながらいきむ(尿道閉塞。とくにオス猫。半日から1日で命に関わります
  • 口を開けて呼吸する、呼吸が速く浅い、うずくまって動かない
  • 急に後ろ足が動かなくなった、足先が冷たい、痛がって鳴く(動脈血栓塞栓症の可能性。後ろ足を触らずそのまま運んでください
  • けいれん、倒れる、体が冷たい
  • 人用の薬、ユリとその仲間(デイリリーを含む)、ネギ類を口にした(症状がなくても。毒を体から出す処置が効くのは、口にしてから1〜2時間です

呼吸が苦しそうな猫は保定そのものが負担になるため、無理に押さえつけず、先に電話で状態を伝えてから運んでください。

その日のうちに電話したいのは、こちらです。

  • 急に物にぶつかる、瞳孔が開いたまま戻らない(高血圧による網膜剥離の可能性。早い受診なら視力が残ることがあります)
  • 繰り返し吐く、水を飲んでも吐く、下痢が1日以上続く
  • 24時間以上、飲まず食わず

この記事の続きは、そのあとで大丈夫です。

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まず結論:老猫・シニア猫は7歳から。国際区分では10歳から

「老猫」は「シニア猫」とほぼ同じ意味で使われる言葉で、国内では7歳以降を指すのが一般的です。一方、獣医学の国際的な区分では10歳からをシニアとしています。どちらかが間違っているのではなく、区切る目的が違います。

年齢の区分と、その時期にやること
猫の年齢 呼び方(国内の一般的な区分) 人でいうと この時期にやること
1〜6歳 成猫 15〜40歳 年1回の健康診断。体重の記録を始める
7〜10歳 シニア(=老猫) 44〜56歳 年1回の健康診断に体重・飲水量の記録を足す。10歳が近づいたら年2回への切り替えを相談
11〜14歳 高齢 60〜72歳 健康診断は年2回(10歳以降の目安)。血液・尿検査と血圧測定を追加
15歳〜 超高齢 76歳〜 治療は続けたうえで、トイレ・食器・段差・室温・爪を見直す

年齢が変わった瞬間に体が変わるわけではありません。7歳・10歳・11歳は、体の状態を示す数字ではありません。飼い主が行動を切り替える目印です。

「シニア」と「高齢」は、決め方が2つあるから食い違う

シニア猫の年齢が7歳と10歳に割れるのは、7歳がフードや保険の区切り、10歳が診療内容を変える区切りだからです。目的の違う基準が併存しています。

フードやペット保険の7歳は、製品やプランを分ける必要から生まれた数字です。多くの猫でこのあたりから運動量が落ちはじめ、必要カロリーや加入条件を分ける意味が出てきます。

一方、2021年に改訂されたAAHA/AAFPの猫ライフステージ・ガイドラインでは、1〜6歳を若い成猫、7〜10歳を成熟期、10歳以上をシニアと整理しています。この改訂では、それまであった「超高齢(geriatric)」という区分が廃止され、シニアに統合されました。国内で使われる「高齢」「超高齢」という呼び分けは、この国際区分には対応していません。

猫の年齢を人に換算すると、7歳で44歳、11歳で60歳

猫の年齢は最初の2年で一気に進み、生後1年で人の15歳、2年で24歳、そのあとは1年ごとにおよそ4歳ずつ加算するのが一般的な換算方法です。

猫の年齢と人の年齢の対応
猫の年齢 人でいうと
1歳 15歳
2歳 24歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
15歳 76歳
18歳 88歳
20歳 96歳

この換算がありがたいのは、時間の進み方を体感に置き換えられるところです。半年に1回の健康診断は「頻繁すぎる」のではなく「人でいう2年に1回」。そう分かると、頻度の感覚が変わります。

ただしこの換算は感覚をつかむための慣習的な目安で、医学的な指標ではありません。老化の進み方には個体差があります。

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7歳:登らなくなった猫は、痛いのかもしれません

7歳前後で最初に気づきやすいのは活動量の変化で、「高い場所に登らなくなった」は関節の痛みのサインであることが少なくありません。猫は犬ほどはっきり足を引きずらないため、痛みが「やらなくなる」という形でしか出てこないのです。

今まで一息で乗っていた棚に、いったん椅子を経由して登るようになる。着地のときの音が大きくなる。こうした「やり方が変わった」は、痛みの表れとしてよく見られます。

同じことが、爪とぎの回数が減る、毛づくろいが減って背中の毛がぱさつくといった変化にも当てはまります。関節や歯の痛み、肥満、甲状腺の病気が背景にあることがあり、「歳のせい」で片づけると原因が見つかりません。ブラッシングを手伝うといった手当てと並行して、次の健康診断でこの変化を必ず獣医師に伝えてください。

体重が動きはじめるのもこの時期です。運動量が落ちたのに食べる量が同じままなら、その分だけ増えます。糖尿病や関節への負担につながるので、7歳を迎えたら月1回、日付を決めて測る習慣をつけてください。「毎月1日」「毎月の第1土曜」のように日付側で固定し、食前に測ります。曜日で決めると月ごとに日付がずれます。

測り方には注意が要ります。人用の体重計に自分が乗り、猫を抱いてもう一度乗って差を取る方法は手軽ですが、0.1kg単位だと2回分の誤差が重なり、後述する0.2kgの変化は埋もれてしまいます。抱かれるのを嫌がる猫だと数値も定まりません。10g単位で測れるベビー用のスケールがあると確実で、難しければ通院のたびに病院で測ってもらい、数値を控えて帰るだけでも記録になります。
キッチンスケールとメモ帳。そばに猫が座っている

11歳:老化に見えて、病気が始まっています

11歳を過ぎると、慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症・変形性関節症・歯周病・腫瘍が代表格になります。どれも、始まりは静かです。

深夜、誰もいない廊下で長く尾を引くように鳴く。呼びに行くと止まる。この鳴き方は、高血圧でも甲状腺機能亢進症でも、認知機能不全症候群(猫の認知症)でも起こります。水を飲む量が増える、食べているのに痩せる。老化としてよく語られる変化が、そのまま病気の初期症状でもあります。見た目だけで家庭で見分けることはできません。

腎臓と甲状腺は、血液と尿と血圧で見つかります。関節と歯と腫瘍は、触って、口を開けて、画像や検査を経て分かるものです。

しこりは体をなでるときに気づきます。ブラッシングのついでに、胸から股にかけての乳腺、脇の下、下顎、膝の裏を触っておいてください。猫の乳腺のしこりは悪性であることが多く、小さいうちに見つかったかどうかで経過が変わります。「小さいから様子を見る」が、最も避けたい判断です。

とくに食欲があるのに体重が落ちていく状態は、様子を見ずに受診してください。甲状腺機能亢進症や糖尿病で典型的に見られる組み合わせです。

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15歳:治療をやめる年齢ではありません

15歳を過ぎても、甲状腺機能亢進症・高血圧・歯周病は治療で食欲や活動性が戻ることが珍しくありません。そのうえで暮らしの側を少し整えると、体力が落ちても今までの暮らしを続けやすくなります。

この時期に見直したいところ

トイレ またぐ動作がつらくなります。縁の高さ5cm程度の容器に替えるか、片側にスロープを渡します。替えるときは古いトイレをすぐ片づけないこと。新しい容器を使わずに我慢してしまう猫がいるので、1〜2週間は両方を並べて置きます。

食器 床置きだと首を深く下げる姿勢になります。5〜8cmほど高さを出すと食べやすくなる猫がいます。

段差 踏み台を1段挟むだけで、登れなくなった窓辺に戻れることがあります。

室温 筋肉量が落ちると寒さがこたえます。冬場は日中22〜25℃を保ち、暖かい寝床を複数用意します。夏はエアコンを切らず、風の当たらない涼しい場所と水飲み場を複数つくってください。ペットヒーターは低温やけどを防ぐため、猫が自分で離れられる配置にし、直接触れないようカバーをかけます。

 とぐ回数が減るぶん、伸びた爪が肉球に刺さります。月1〜2回、後ろ足も含めて全部の爪を確認してください。すでに刺さっている場合は出血や感染を起こすので、自分で処理せず受診してください。

縁の低いトイレと、台で高さを出した食器
食が細くなったときは、温めて香りを立てる方法が試せます。ウェットフードなら電子レンジで10秒ほど。アルミのトレーや缶のままは入れず、必ず耐熱の器に移します。加熱ムラで局所が熱くなるので、かき混ぜて指で人肌を確かめてから出します。熱すぎると逆に警戒して食べません。

なお、丸1日食べないときは、年齢に関係なく病院へ連れて行ってください。猫は絶食が続くと肝リピドーシスを起こすことがあり、とくに太り気味の猫では数日の絶食でもリスクが上がります。

【禁止】人用の薬を猫に使わないでください

痛がっている、食べないからといって、人用の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)を絶対に与えないでください。猫は少量でも命に関わる中毒を起こします。サプリメントや人の食品で対処しようとせず、鎮痛は必ず動物病院で猫用に処方されたものを使ってください。同居する犬に処方された薬や、以前この子に出された薬の残りを自己判断で使うのもやめてください。犬用の鎮痛薬は猫では重い副作用を起こすことがあり、以前の処方も、体重や腎臓の状態が当時と変わっていれば適量ではなくなります。

シニア用フードは何歳から? 決め手は体重の向きです

シニア用フードに替えるかどうかは、体重が増えているか減っているかで決めます。7歳という数字は関係ありません。太ってきた猫と痩せてきた猫では、必要なフードが逆になります。

ただし意図せず痩せてきた場合は、フードを替える前に受診してください。高齢猫の体重減少は甲状腺機能亢進症・慢性腎臓病・糖尿病・腫瘍の最初のサインであることが多く、カロリーを上げると原因が隠れたまま進行します。病気が否定され、加齢による食の細りだと判断されてから、カロリーの高いものを検討します。

  1. 体重の向きを見る:増えているのか減っているのかを先に決めます
  2. 今のフードの100gあたりカロリーを控える:袋の裏に記載があります。総合栄養食のドライは100gあたり350〜450kcalが一般的です
  3. 方向を合わせて選ぶ:太ってきたなら今より低いもの、受診を経て加齢による食の細りと分かったなら今より高いものにします
  4. 腎臓の数値に指摘があるなら市販品で決めない:療法食は獣医師の指示のもとで使うものです
  5. 7〜10日かけて混ぜ替える:急な全量変更は、それ自体が食べ渋りや下痢の原因になります

数字を比べるときの注意

カロリーの数字が変わっても、給与量を据え置くと意味がありません。袋の給与量表を見て、1日の総カロリーで比べてください。

減量は急がないこと。週に体重の0.5〜1%(4kgなら週20〜40g)程度が目安で、急激に落とすと肝リピドーシスの引き金になります。目標体重と減量ペースは受診時に相談してください。

「シニア用」と書かれた製品の中身は一様ではありません。カロリーを抑えて肥満対策に振ったもの、逆に食が細った猫向けに高カロリーにしたもの、腎臓に配慮してリンを控えたもの。同じ「シニア」でも中身は逆を向いています。だから、袋の裏の数字で判断する順番になります。

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月1回、見ておきたい5つの変化

暦の年齢より先に変わるのは、体のほうです。体重、飲水量、排泄、ジャンプ、毛づくろい。月1回記録しておくと、家庭で病気の入口に気づけます。

記事の冒頭に挙げた急な変化は、記録を待たずにその都度受診してください。

  1. 体重:ダイエットをしていないのに5%以上減っていたら、期間にかかわらず病院に行く理由になります(4kgの猫なら0.2kg)。短期間で減っているほど急ぎます
  2. 飲水量:ドライフード中心の猫で、1日に体重1kgあたり50mlを超える日が続くなら多飲の疑いです(4kgなら200ml)。100mlを超えれば明らかな多飲。ウェットフード中心の猫は食事から水を摂るぶん飲水量が少なくなるので、絶対量より「前より明らかに増えた」という変化を見ます。測るときは、朝に計量カップで入れた量から翌朝の残りを引きます
  3. 排泄:固まる砂なら、固まりの大きさと数で尿の量が分かります。便が2〜3日出ないときは受診してください。ただし、トイレでいきんでいる猫が便秘なのか尿が出ていないのかは見た目では区別がつきません。尿が出ていない可能性があるなら、2〜3日待たずに上の【至急】に従ってください
  4. ジャンプと段差:数週間から数か月かけて徐々に登らなくなったなら関節の痛みを疑います
  5. 毛づくろいと鳴き方:背中の毛がもつれる、夜に大きな声で鳴くようになった、といった変化があれば、病院で相談する段階です

記録はスマホのメモで足ります。日付と体重だけの1行でいい。半年分たまると、グラフにしなくても増減の向きが見えます。

健康診断は10歳から年2回に

健康診断は成猫で年1回、10歳を過ぎたら年2回が目安で、10歳以降は血液検査(腎臓・肝臓・甲状腺)と尿検査、血圧測定、体重と体型の評価、それに口の中のチェックを含めた内容にします。

口臭が強くなった、硬いものを避ける、片側だけで噛む、よだれが増えた、口のまわりが濡れている。猫は歯の痛みを訴えません。こうした変化も伝えてください。高齢猫の歯科処置は全身麻酔が必要なので、処置に踏み切るかどうかは、年齢と持病を見て相談することになります。

血圧は項目から漏れやすいので、こちらから希望を伝えてください。慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症に伴って上がることがあり、放置すると網膜剥離から失明につながる場合があります。測定は数分で終わります。なお猫は診察室で緊張して血圧が上がりやすく、1回の高い数値だけでは診断されません。

体型の評価も一緒に見てもらえます。体重の数字だけでは見えない、筋肉と脂肪のつき方が分かります。家で確かめるなら、肋骨に軽く触れて骨の感触があるか、上から見て腰にくびれがあるかを見ます。

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よくある質問

シニア猫・老猫は何歳からですか?

国内では7歳からをシニア(老猫)、11歳からを高齢、15歳からを超高齢と呼ぶことが多く、獣医学の国際区分では10歳からをシニアとしています。呼び方に医学的な確定はなく、目的によって区切りが変わります。

猫の10歳は人間でいうと何歳ですか?

人の56歳前後に相当します。生後1年で15歳、2年で24歳、そこから1年ごとにおよそ4歳を足す計算です。

拾った猫で年齢が分からないときは、どう判断しますか?

歯のすり減り方や歯石のつき方、毛づやや目の水晶体の濁りから、獣医師がおおよその年齢を推定します。数か月単位まで絞るのは難しいものの、「若い成猫か、7歳を超えていそうか」の判断はつきます。初診のときに推定年齢を聞いて、それを基準に記録を始めれば十分です。

多頭飼いで1匹だけシニア用フードに替えるにはどうすればいいですか?

食べる場所を分けるのが基本です。別の部屋にする、時間をずらす、高い場所に上がれる猫だけ台の上で食べさせるといった方法があります。どうしても混ざるなら、全頭が食べても差し支えない総合栄養食を選び、体重が気になる猫だけ量で調整するほうが現実的です。なお、シニア用ではなく療法食(腎臓用など)を使う場合は、この方法は使えません。療法食は特定の栄養素を意図的に制限しているため、他の猫が食べ続けるのは望ましくありません。給与場所や時間を必ず分け、難しい場合は与え方をかかりつけに相談してください。

まとめ

7歳は見はじめる年齢、10〜11歳は調べはじめる年齢と覚えておくと、次に何をすればいいかが決まります。

冒頭の8歳の猫は、国内の区分ではシニア、国際区分ではまだ成熟期です。どちらでもいいのですが、体重を測りはじめるには十分な年齢です。

今日やることを1つだけ選ぶなら、体重を測って日付と一緒にメモしてください。来月も同じことをすれば、それだけで変化に気づける仕組みができます。

この記事について

ふぁみもん編集部が、公開されている一般的な情報をもとにまとめたもので、獣医師の監修は受けていません。個々の猫の診断や治療に代わるものではありません。持病のある猫、療法食を使っている猫については、必ずかかりつけの動物病院の指示を優先してください。

ライフステージの区分と健康診断の頻度は AAHA/AAFP「Feline Life Stage Guidelines」(2021年改訂・英語)、体型評価の考え方は WSAVA「Global Nutrition Guidelines」、フードの表示と与え方は環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」を参照しています。体重減少5%・多飲50〜100ml/kgといった閾値は、小動物内科で一般に用いられている目安です。

公開:2026年8月24日/最終更新:2026年8月29日(内容は更新時点の情報です)

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