猫の中でも断トツ人気がある品種と言えば、王道のアメリカンショートヘアーを超えたスコティッシュホールド。
最近ではユーチューバーで人気を誇っている有名な方も、スコティッシュホールドの飼育をし始めて話題となっています。
垂れている耳が可愛いのですが「初めて飼育する猫に向いているの?」「耳が垂れているのは病気なの?」と疑問に感じる方もいますよね。
今回は、スコティッシュホールドを飼いたい人向けに、魅力や飼いやすさ飼育法などを含めて紹介していきます。
耳が特徴的なスコティッシュホールド
丸い目と丸い顔に愛嬌があるため、愛猫家の間でも人気があるスコティッシュホールド。
スコティッシュホールドと言えば折れ曲がった耳が特徴的ではありますが、すべての猫の耳が折れている訳ではありません。
スコティッシュホールドの折れた耳は、親猫から受け継いだ遺伝子が関係しています。
垂れ耳の割合は3割程度と言われ、生まれた時は耳が真っ直ぐで、生後3週間くらいから耳が折れ始めます。
生まれた時からずっと立ち耳のスコティッシュホールドも存在していますので、どちらを選ぶかは飼い主さん次第と言ったところでしょうか。
①折れ耳のスコティッシュホールド同士の交配は禁止されている
両親とも垂れ耳の場合、生まれた子猫は高確率で重度の発育障害や骨・軟骨異常が確認されています。このため現在では、折れた耳同士のスコティッシュホールドの交配は禁止されています。
ブリーダーはアメリカンショートヘアー・ブリティッシュショートヘアと交配することで健康的な猫を増やしています。
スコティッシュホールドの多頭飼いをしている方は、発情期に注意をしてくださいね。
②毛色がたくさんあるスコティッシュホールド
スコティッシュホールドは、すべての毛色と柄が認められている品種ですので、様々な模様の猫がいます。どの猫にしようかな?と迷ってしまうほどカラーバリエーションが豊かです。
現在、人気のあるカラーはレッド系(茶色)ですが、逆にブルー(灰色)は珍しいカラーですので、見かけたらラッキーですよ。
毛の種類は、短毛種と長毛種の2種類が存在していますが、長毛種のほうが珍しい品種になっています。
③スコティッシュホールドの目の色
目の色は、被毛の色と同じ色をしています。ホワイトベースの猫には左右の目の色が異なるオッドアイの猫もいます。
関連:白猫に多いオッドアイ!左右の目の色が違う猫の性格や特徴とは
④スコティッシュホールド体重
オス猫の平均体重は4~6キロ程度、メス猫は2~4キロ程度です。がっしりした骨格と、むっちりボディをしていますが中型猫になります。メス猫の体型は雑種の猫よりもすこし小さめですね。
⑤スコティッシュホールドは座り方も独特
スコティッシュホールドは、腰をぬかしたような独特の座り方をします。
腰や手足関節の形成不全が多く、通常の猫に良く見られる両手を折りたたんで座る「こう箱座り」が苦手な品種です。
関連:【どんな性格がいい?】一人暮らしでも飼いやすい猫の種類6選
スコティッシュホールドの歴史は悲しい
原産国はスコットランド(イギリス)ですが、歴史はまだ浅い品種になります。
スコットランドの農家で飼育されていたスージーと名付けられた白猫は、生まれた時から耳が折れていたと言われています。
さらにスージーが生んだ子猫は、みな耳が折れていたらしいのです。そして子猫を引きとった一組の夫婦がブリティシュショートヘアと交配させます。
やはり耳が折れた猫が生まれたため、これらがキッカケで耳が折れた猫の繁殖を始めました。
①イギリスで血統証と登録されるが…
そして1966年代にスコティッシュホールドは、イギリスの血統証登録団体(GCCF)に品種登録されました。しかし聴力に問題がある猫が続出し始め、奇形・遺伝疾患が疑われると品種登録が中止になります。
②アメリカンショートヘアーの交配で品種改良
1970年代に入ると、この猫はアメリカにわたり「アメリカンショートヘアー」と交配をします。すると健康なスコティッシュホールドが誕生したのです。
1978年代にアメリカの血統登録団体(CFA)に登録され、現在では世界中の人気を得ています。
③近親交配により遺伝的な疾患が多くなった
スコティッシュホールドは人工的な繁殖を繰り返した品種ですので、遺伝的な病気を発症しやすいと言われています。
発症率が高い疾患として「遺伝性骨軟骨異形成症」があります。
関節に疾患を抱えやすいので、前足、後ろ足、しっぽの関節部の軟骨がこぶのように大きくなったり、変形する猫も存在し、生涯痛みや歩行困難を伴います。
スコティッシュホールドの性格
スコティッシュホールドが10年間も人気なのは、なんといっても「飼育のしやすさ」にあります。性格は、見た目同様に温和で愛嬌があります。
①環境の変化に動じない心の強さ
スコティッシュホールドは、たいへん落ち着いている性格をしていますので、環境の変化に動じることはありません。動物病院やトリミングサロンでパニックにならないため、扱いやすさは抜群でしょう。引っ越しが多い方に向いていますよ。
人間といることを好み、攻撃性が少ないため、小さな子供がいても安心して飼育ができます。
猫同士との相性も良いので、多頭飼いを検討している方にもオススメです。
②鳴き声が小さい
スコティッシュホールドは鳴き声が小さい猫として有名です。
高くて小さな声ですので、近所には迷惑にならないレベル。「ニャーニャーニャー!」と言った感じではなく「ニャ!」「ニャン」と言った感じですね。
③運動量が少ない
スコティッシュホールドの運動量は少なく、高い場所を好みません。
高低差の低いキャットタワーがあると便利ですね。集合住宅やマンション暮らしでの飼育も可能ですので都会に住んでいる方ほど、スコティッシュホールドを求める傾向が強くなってきています。
猫特有のツンデレはありませんが、ペットとして飼育するには最適!と言われるだけあって、猫初心者に向いている品種です。
スコティッシュホールドのしつけは簡単で手がかからない
トイレは比較的早い段階で覚えますので、しつけは難しくはありません。
多頭飼いも平気なくらいの猫なので、神経質にもならず粗相も少ないでしょう。
運動量が少ないので、フード量を管理し肥満に気をつける点はありますが、特別なしつけが必要のない珍しい品種です。
①ブラッシングは毎日が理想
被毛がとても絡みやすい品種になりますので、お手入れをこまめにしないと絡まり毛玉ができます。フラッシングが重要となってきますのが、時間を決めて1日1回はお手入れをします。
②耳掃除が必要
耳が垂れている品種は、自宅での耳掃除も必要です。
1週間に1回ペースで黒い耳垢が溜まっていないかチェックをします。黒い耳垢がたまっていたらコットンに耳掃除専用のクリーナーをつけて、やさしく拭きとっていきます。
耳の中に傷がつく恐れもあるので、指にコットンを巻きつけたり綿棒を使ったりするのは避けてくださいね。人間の耳かきのように細かく掃除を必要はありません。
まとめ
世界中でも飼育数が多いスコティッシュホールドですが、最近では女優さん、アイドルを始め人気ユーチューバーさんもスコティッシュホールドの飼育を始めました。中には影響力がある人ほど「保護猫を飼育するべきでは?」といった声もあがっています。
保護猫の中にもスコティッシュホールドを扱っている施設もありますよ。ただ、猫の里親になるためには厳しい審査にクリアをする必要があります。
保護猫譲渡の条件としては独身者、年金受給者、カップルの同棲同士は譲渡されないケースは少なくありません。働いていて家にいない、安定した収入がないなど猫を捨てる可能性がある方には渡さないものです。
こういった背景もあるため、収入があるからペットショップで血統証付きの猫を飼うのではなく、ペットショップで購入するしか方法がなかった…とも感じます。
今は「有名人と同じ猫が欲しい!」といった背景もあり人気をキープしているようです。たしかにスコティッシュホールドは飼いやすい品種ですが、最後まで責任をもって飼育をしてくださいね。
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