キャットフードの切り替え方|7日間の比率と失敗したときの戻し方

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新しいフードの袋を開けた日に、器の中身をぜんぶ入れ替えてしまう。これが切り替えでいちばんつまずきやすいところです。翌日から下痢が始まっても、原因がフードなのか別のことなのか分からなくなります。替え方には、日数と比率の目安があります。

いますぐ、夜間でも受診してください

  • トイレに何度も行くのに尿が出ない、いきむだけで出ない
  • 血の混じった下痢/黒いタール状の便/吐血
  • 繰り返す嘔吐、ぐったりしている、水も飲まない

1つ目は尿道が詰まっている可能性です。オス猫はとくに詰まりやすく、1〜2日で命に関わります。夜間・休日なら救急対応の病院へ連絡してください。

その日のうちに受診してください

  • 下痢や嘔吐が24時間以上続く
  • まったく食べない時間が、成猫で24時間、子猫・シニア猫・持病のある猫で半日(約12時間)を超えた

いずれも、自宅での調整はやめて受診してください。年齢別の目安は記事の後半で表にしています。

まず結論:7日かけて、25%→50%→75%→100%と入れ替えます

キャットフードの切り替えとは、今まで食べていたフードに新しいフードを混ぜ、その比率を数日かけて入れ替えていく作業です。ロイヤルカナンは子猫用から成猫用へ替える場合の進め方として、1〜2日目は今までのフード75%と新しいフード25%、3〜4日目は半分ずつ、5〜6日目は25%と75%、7日目に100%という7日間の手順を示しています(2026年9月7日確認)。

この7日は子猫から成猫への移行について書かれた日数ですが、カナガンも銘柄を替える際に「少なくとも7日間ほど」と案内しており、銘柄を替える場合の出発点としても使えます。ただし、どちらもフードメーカーの案内で、公的な基準ではありません。

ロイヤルカナンは、切り替えの最初のステップとしてかかりつけの獣医師への相談を挙げています。持病がある猫、シニア猫、子猫、療法食を食べている猫では、袋を替える前に相談してください。

7日間の比率と、2つの1日量から計算する方法
今までのフード(減らす) 新しいフード(増やす) A=60g・B=68gの例
1〜2日目 75%(A×0.75) 25%(B×0.25) 45g+17g
3〜4日目 50%(A×0.50) 50%(B×0.50) 30g+34g
5〜6日目 25%(A×0.25) 75%(B×0.75) 15g+51g
7日目 0% 100%(B) 68g

この表で動かすのは「新しいフード」の側です。25%→50%→75%→100%と増えていくのが新しいフードで、今までのフードはその分だけ減ります。

計算に使う数字は2つあります。今のフードの袋に書かれた1日量(=A)と、新しいフードの袋に書かれた1日量(=B)です。AとBは同じ数字になるとは限りません。100gあたりのカロリーがフードごとに違うので、同じ体重の猫でも指示されるグラム数が変わります。上の例はA=60g、B=68gの場合で、7日目は60gではなく68gです。先に猫の体重を測り、両方の袋の給与量表からその体重の行を読んで、AとBをメモします。

ひとつの器の中で2種類のドライフードが混ざっているところ

一晩で替えると、下痢と「食べない」が同時に起きます

一晩でフードを入れ替えると、下痢などの消化器の不調と、警戒して食べないという2つの失敗が起きます。ロイヤルカナンも「食事の習慣を一晩で変えるようなことは避けましょう。消化器官の不調の原因となったり、食欲不振になることがあります」と書いています。

ひとつは消化の側の問題です。消化のしくみは今までの食事に合わせて整っているため、脂肪の量やたんぱく源、繊維の量が急に変わると追いつきません。出てくるのは軟便や下痢です。

もうひとつは、猫のほうが受けつけないという問題。猫は食べ慣れないにおいを警戒します。困るのは、この「食べない」が数字に残らないことです。器に少し減った跡があるだけだと、食べたのか散らかしただけなのか分かりません。

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下痢や嘔吐が出たら、7日を10日に延ばして各段階を3日ずつに

切り替え中に下痢や嘔吐が出たときは、7日の予定を10日に延ばし、各段階を3日ずつに広げます。ロイヤルカナンの案内も「嘔吐や下痢などの消化器系の問題に気づいた場合は、移行期間を7日間から10日間に延長しましょう」です。血便・繰り返す嘔吐・ぐったりがある場合は、延長ではなく受診です。

まったく食べない時間の目安(編集部が整理したもので、下記の参考資料が示した値ではありません)
この時間を超えたら受診
生後1歳未満の子猫 半日(約12時間)。生後6か月未満では、水様便が半日続く時点でも受診
成猫 24時間
シニア猫(おおむね11歳以上)・持病のある猫 半日(約12時間)
インスリンや薬を毎日与えている猫 時間を待たず、その時点でかかりつけへ連絡

最後の行だけ理由が違います。食べていないのに通常量のインスリンを打つと、低血糖を起こすことがあるためです。

使い分けは次のとおりです。まだ下痢は出ていないが軟便が続くなら、はじめから下の10日プランで進めます。すでに下痢が出たなら、いま与えている比率をひとつ手前に下げ、便が固まってから10日プランに乗せ直します。

  1. 1〜3日目:新しいフード25%
  2. 4〜6日目:新しいフード50%
  3. 7〜9日目:新しいフード75%
  4. 10日目:新しいフード100%

戻すときは、下痢が出た比率のひとつ手前まで下げ、便が固まるのを待ちます(この戻し方は編集部の運用例で、資料に書かれた手順ではありません)。待つのは24時間までとし、翌日の便も崩れている、水様便になった、あるいは嘔吐やぐったりが加わるなら、自宅での調整はやめて受診してください。子猫では待たず、その日のうちに受診してください。

確認はトイレを片付けるついででかまいません。掬ったときに形が崩れずに固まっていて、その日いつもどおり食べ、元気があれば、次に進んでよい日です。便が固まっていても、食欲が落ちている・元気がない・嘔吐があった日は進めないでください。崩れた日はもう一日そのままにして、次の朝にもう一度見ます。

切り替えのせいとは限りません。迎えて間もない子猫の下痢は、回虫やコクシジウムなどの寄生虫でも起こります。フードの比率をいじっても止まらないため、糞便検査を受けてください。ひもやおもちゃを口にした心当たりがあるときも、切り替えの調整ではなく受診してください。

食欲が落ちて嘔吐が続き、お腹を触られるのを嫌がるときは膵炎のことがあります。切り替えの症状と見分けがつきにくいので、比率をいじらずに受診してください。よく食べるのに痩せるシニア猫では甲状腺機能亢進症も疑われ、血液検査で調べられます。

そして、切り替えと同じ週に、新しいおやつ、ワクチン、引っ越しなどを重ねないでください。同時にいくつも変えると、原因を切り分けられなくなります。

口をつけない日は、その日のうちに前の比率へ戻す

新しいフードの割合を上げた日にまったく口をつけないなら、その日のうちに前の比率まで戻して数日待ちます。嫌がる場合は75%と25%の期間を長くする、ウェットフードを混ぜる、といった方法が案内されています。日数のほうを猫に合わせます。

  • 混ぜ方は猫に合わせる…よく混ぜたほうが選り分けずに食べる猫もいれば、混ぜると食事全体を拒否してしまう猫もいます。混ぜて食べないようなら、同じ器の中で新しいフードを少量そばに置く形も試せます
  • 温めるなら湯せんで…ぬるま湯を張ったボウルに器ごと・袋ごとつけて人肌まで戻すのがいちばん安全です。電子レンジは中に熱い部分ができて口の中をやけどすることがあるためおすすめしません。どうしても使うなら必ず耐熱皿に移し替え(パウチや缶のままは絶対に加熱しない)、5〜10秒ずつ、そのつどよく混ぜて指で温度を確かめてください。ドライフードは温めなくて構いません
  • ウェットフードを少量混ぜる…ロイヤルカナンも挙げている方法です。ただし混ぜるウェットはこれまでも食べ慣れているものを選んでください。初めてのウェットを同時に足すと、下痢が出たときにどちらが原因か分からなくなります。混ぜた分のカロリーは1日量から差し引きます。温めたものやウェットを混ぜたものは、20〜30分で下げて置き餌にしないでください
  • 器と場所を見直す。ヒゲが当たらない浅く広い器に替える、人の通らない静かな場所に移す、トイレや水入れから離す。それだけで食べ出すことがあります
  • 療法食を与えている猫では、獣医師に確認せずにウェットやトッピングを足さないでください。食事管理の意味がなくなります

猫が食べない時間が続くと、肝臓に脂肪がたまる肝リピドーシスという状態を起こすことがあります。とくに太り気味の猫でリスクが高いとされますが、標準体重の猫でも起こり得ます。まったく食べていない時間が上の表の目安(成猫24時間、子猫・シニア猫・持病のある猫は半日)を超えたら、切り替えを中断して元のフードに戻し、その日のうちに受診してください。食べない時間が延びること自体が問題なので、様子見を重ねないでください。

ウェットとドライを跨ぐときは、別の注意が要ります

AとBのグラム数が大きく違います(水分量が違うためです)。必ずそれぞれの袋・パウチの給与量表を読んでください。ウェットからドライへ替えると食事からとる水分が減るので、水飲み場を増やし、尿の量と回数を見ていてください。過去に尿石や膀胱炎を起こしたことがある猫では、切り替える前にかかりつけへ相談を。

乗り換え先が「総合栄養食」か、袋で確かめる

市販のフードを飼い主の判断で毎日の主食にできるのは「総合栄養食」です(療法食も日々の主食になりますが、これは獣医師の指導のもとで与えるものです)。ペットフード公正取引協議会は、公正競争規約が使用目的によってペットフードを分類し、総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食のそれぞれに表示すべき項目を定めていると説明しています。そして「その他の目的食」のうち一般食・副食については、一日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給する必要がある旨か、同時に与えるペットフード(総合栄養食など)や食材の名称を併記することになっています(2026年9月7日確認)。

つまり「一般食」「副食」と書かれたものは、それだけでは栄養が足りません。切り替え先の袋を裏返して、この表示を最初に確認します。

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切り替えが要るのは3場面。それぞれ急ぎ方が違います

フードを替える理由は、月齢が変わったとき、体調や体重の都合、そして今のフードが手に入らなくなったときの3つに分かれます。どれに当たるかで、急いでよいかどうかが変わります。

切り替えの理由と進め方
理由 いつ 進め方
月齢が変わる ほとんどの子猫は生後12か月頃に成猫用へ移ります(メインクーンは例外で最長15か月かかるとされています) 多くの場合、7日間の目安どおりに進められます。ほかの大型種の時期は資料に記載がないため、かかりつけの獣医師に確認します
体調・体重の都合 獣医師の診察で原因を確認したうえで、食事管理を変える必要が出たとき 体重を落とすためなのか、便を安定させるためなのかで、選ぶ製品も進め方も変わります。先に相談してください
入手できなくなった 製品の終売、リニューアル、在庫切れ 今の袋が残っているうちに始めます。空になってからでは、混ぜる相手がありません

3つ目は見落とされがちです。今のフードが残り1回分になってから新しい袋を開けると、初日からいきなり100%になります。残り3分の1になったら次の袋を用意すると決めておくと、この失敗はほぼ防げます(編集部の目安です)。切り替えには最低7日、うまくいかなければ10日かかります。残り3分の1は、その日数を確保できる最後のラインです。

木の床に立てた無地のクラフト紙のフード袋。口を折ってクリップで留め、残りは3分の1ほど

あわせて読みたい違う種類のキャットフードを混ぜるのはおすすめできないワケ

この記事で混ぜるのは、7日で入れ替えるための一時的な措置です。2種類を混ぜたまま毎日与え続けることは勧めていません。混ぜたまま続けた場合の話は上の記事にあります。

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療法食は自己判断で替えないでください

療法食は、特定の病気の食事管理のために設計された製品です。ペットフード公正取引協議会も、療法食には「獣医師の指導に基づいて給与するべきものである旨の注意書き」を表示することとしており、あくまで治療の補助であって、フードによって病気を予防したり治療できるかのような表示はできないとしています。

名前やパッケージが似ている市販フードに替えても、同じ管理にはなりません。コントロールしていた尿や腎臓の数値が動くことがあります。逆に、指示されていない猫に療法食を与えるのも避けてください。多頭飼いで療法食の猫がいる場合は、食べる場所や時間を分けて、ほかの猫が口にしないようにしてください。

替えるときにやらないこと

  • 「グレインフリーだから体にいい」で替えない。グレインフリーは、穀物を使っていないという原材料構成の表示であって、公正競争規約が定めた区分ではありません。それ自体は安全や品質の保証にならないので、替えるなら別の理由を持ってください
  • 複数のフードを同時に導入しない。下痢が出たとき、どちらが原因か分かりません
  • 切り替えを機に量を増やさない。上の表のとおりAとBを別々に計算していれば、1日に与えるエネルギーはおおむね釣り合います。ただし給与量表の前提はメーカーごとに違うので、切り替え後1か月は体重を見て調節してください。表を使わず「今までと同じグラム数」で新しいフードに替えると、カロリー密度の差の分だけ増減します
  • 多頭飼いでは、切り替える猫を食事の時間だけ別室で給餌する。器を分けても、食べ終えた猫が隣の器に移ります

あわせて読みたいグレインフリーのキャットフードは必要?表示欄で見るところ

よくある質問

キャットフードの切り替えは何日かけますか?

7日間が目安です。新しいフードを25%→50%→75%→100%と増やします。下痢や嘔吐が出た場合は10日間に延ばします。

子猫用から成猫用への切り替えは、いつ始めますか?

生後12か月頃が目安です。メインクーンは例外で、最長15か月かかるとされています。ふやかしたドライから固いカリカリへ進める手順は、子猫のカリカリはいつからで扱っています。

メーカーの違うフードに替えるときも、同じ7日間でいいですか?

メーカーの案内が示しているのは、同一メーカー内で子猫用から成猫用へ移る場合の手順です。原材料が大きく変わるメーカー変更では、同じ7日間から始めて、便の様子を見ながら日数を延ばすほうが安全です。

多頭飼いで、1匹だけフードを替えられますか?

器を分けても、食べ終えた猫が隣の器に移ります。切り替え中は食事の時間だけ部屋を分け、食べ終わったら器を下げてください。どちらが下痢をしたのか分からなくなるのが、いちばん困る事態です。

在庫が尽きて、いきなり替えるしかありません

1日量は減らさず、1回量を小さくして回数を増やして与えてください。同じメーカーの別フレーバーなど、組成の近いものを選ぶと負担が小さくなります。その日から便の状態を毎日記録し、冒頭の受診の線に当たらないかを見ていてください。

袋の残りを見てから、このページを閉じてください

切り替えを始める前にやることは、今のフードの残量を確かめて、袋の給与量をメモする、この2つだけです。残りが3分の1を切っているなら、次の袋を用意するタイミングです。

新しい袋が届いたら、その袋の給与量も同じ紙に書き足します。数字が2つ揃ってはじめて、上の表の計算ができます。袋を留めるクリップに貼っておくと、毎回計算せずに済みます。

生後12か月前後は、避妊・去勢を終えたあとにあたる猫が多い時期です。手術後は必要なエネルギーが下がるため、成猫用に替えたあとに太りやすくなります。切り替え後1か月は体重を測り、増えていれば量を獣医師に相談してください。

この記事について

ふぁみもん編集部が、公開されている資料をもとに執筆・編集しました。文章の下書きと公開前の点検に生成AIを補助として使い、採否と最終判断は編集部が行っています。獣医師など資格を持つ専門家の監修は受けておらず、生成AIによる点検は専門家の確認には当たりません。一般的な情報であり、個々の猫の診断・治療はかかりつけの動物病院の判断を優先してください。点検の手順と訂正の方針は編集方針に、誤りのご指摘はお問い合わせへお願いします。このサイトにはアフィリエイト広告を含む記事があります(この記事には広告リンクを置いていません)。

参考資料:

  • 子猫用フードを成猫に与えないほうがいい理由と成猫用への切り替え方(ロイヤルカナン ジャポン)— 2026年9月7日確認 / 使った箇所: 7日間の比率(1〜2日目75:25、3〜4日目50:50、5〜6日目25:75、7日目100%)、嘔吐や下痢があれば7日を10日に延ばすこと、食事の習慣を一晩で変えると消化器官の不調や食欲不振の原因になること、嫌がる場合に75:25の期間を長くする・ウェットフードを混ぜるという方法、ほとんどの子猫が生後12か月頃に成猫用へ移りメインクーンは例外で最長15か月かかること、切り替えの最初のステップが獣医師への相談であること。
  • 03.ペットフードの目的について(ペットフード公正取引協議会)— 参照日 2026-09-07 / 使った箇所: 公正競争規約が使用目的によってペットフードを分類し総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食のそれぞれに表示すべき項目を定めていること、一般食・副食は一日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給が必要な旨を併記すること、療法食には獣医師の指導に基づいて給与すべき旨の注意書きが必要で、フードによって病気を予防・治療できるかのような表示はできないこと。
  • カナガンキャットフード チキン 商品ページ(株式会社レティシアン)— 2026年9月7日確認 / 当サイトは同社の一部商品と広告提携があります(この記事に広告リンクはありません)。/ 使った箇所: 「現在お使いのフードからカナガンに切り替える場合、現在のフードにカナガンを少しずつ混ぜ、少なくとも7日間ほどかけてゆっくり慣らしてください」という案内(7日という日数が1社だけの案内ではないことの確認に使いました)。

A=60g・B=68gの計算例、10日に延ばす場合の3日ずつの配分、下痢が出たときの戻し方と待つ時間、年齢別の受診の目安、シニア猫を「おおむね11歳以上」としたこと、ウェットとドライを跨ぐときの注意、「残り3分の1で次の袋」は、いずれも編集部が整理した運用例です。上記の資料が示した値ではありません。

最終更新: 2026年9月9日(更新内容: 新規公開)

※本記事は診断・治療を目的とするものではありません。愛猫の体調に気になる点がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。

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