「子猫が風邪をひいたっぽいけど、風邪だし大丈夫でしょ」と軽く考えてはいけません。
最悪の場合、猫風邪で命を落とすこともある怖い病気なんです。
今回は、子猫が猫風邪をひいてしまったときの対処法や予防法などについてご紹介したいと思います。
愛猫ちゃんのためにぜひ、お役立てください。
猫風邪と風邪の違い
「風邪と猫風邪って違うものなの?」
結構多くの方が疑問に思っていると思いますが、症状自体は非常によく似ています。
どちらも、「熱、鼻水、咳」をともなうことがほとんどで、場合によってはだるそうにしていることもあります。
猫風邪の場合は、これに加えてほかの症状も出てしまうことが多く、重症になりやすいものです。
さらに、3つのウイルスが原因となって猫風邪にかかります。
以下で、3つのウイルスの種類や症状をまとめていきます。
猫風邪の原因は3つのウイルス~ウイルスごとの症状~
猫風邪といわれるウイルスには、
・猫カリシウイルス
・クラミジア
の3種類があります。
ウイルスごとで現れる症状も違いますし、一つだけでなく複数のウイルス同時に感染してしまうこともあります。
それぞれのウイルスごとの症状は以下のとおりです。
ヘルペスウイルス
・食欲不振
・結膜炎
・目やにや涙が増える
などの症状があります。
約2~10日の潜伏期間があり、母猫からの抗体が弱まる頃に初めて感染することが多いといわれています。
猫カリシウイルス感染症
・舌炎
・発熱
・食欲不振
・よだれ
このウイルスは感染力がとても高く、口内炎など口の中に炎症が起きかなり痛みが強くなります。
生後6~10週ころの子猫にかかりやすいと言われていますが、3歳過ぎて感染しても発症しない、または、発症しても軽い症状ですむということが多くあります。
クラミジア
・咳
・気管支炎
・肺炎
感染してから3~10日経ったころ、片方の目の炎症から始まります。
粘着性の目やにともなう結膜炎と慢性化がしやすいのが特徴で、2~6ヵ月の子猫にかかりやすい病気です。
ひどい子だと、目が開けられないくらい目やにが出てしまうケースもあるとか・・・
関連記事:子猫の目やにや鼻水がひどいときの対処法
自宅でできる3つの対処法
猫風邪は、ウイルスをしっかり治療する必要があるので、病院で治療すべきです。
・・・とはいえ、辛そうにしている猫ちゃんをほっておくこともできないですので、何らかの対処はした方がいいです。
家でできる対処法は、
②目やにや鼻水などをとってあげる
③あったかい環境をつくる
などがあげられます。
猫風邪になると、鼻水や熱に加えての症状がでることから、食欲が明らかになくなり一人では食事ができない子も多いです。
そんな子には、飼い主さんがフードをペースト状に加工してスプーンで食べさせるなど、少しでも栄養がとれるようにお手伝いしてあげてください。
また、目やにや鼻水がひどい子は、それらをとってあげることも大切です。
こういったことから、少しでも猫ちゃんが楽になるような対処法をしてあげてください。
すぐに病院へ連れていくべきサインと治療法とは?
飼い猫ちゃんが猫風邪にかかり、
・やせてきている
・目やになどがとにかくひどい
などが明らかにみられる場合は、すぐに病院に連れて行ってください。
これらの場合は、回復する見込みも薄いので、病院で処方される薬が絶対必要になります。
ウイルスごとの治療方法や完治の時期は、以下でまとめます。
ヘルペスウイルスの治療
ウイルス自体を直接攻撃する特効薬は残念ながらありません。
現れた症状に対しての治療が基本となりますが、免疫力を高めるネコインターフェロンを投与することもあります。
このほかに、二次感染を防ぐために抗生物質を投与して、あとは自然治癒を待つ、という治療法になります。
これにプラスして、「脱水状を防ぐために、飲み水をきらさない」ことと「栄養補給と温度管理をきちんとする」ことが大切になります。
通常、2週間ほどで回復するケースが多いです。
猫カリシウイルス感染症
こちらも、ヘルペスウイルスと同じで、ウイルス自体を直接攻撃する薬はありませんので、現れた症状に対しての治療になります。
最近では、インターフェロンを投与することもあるということ、抗生物質を投与したあとは自然治癒を待つというのも同じになります。
また、飲み水や栄養補給、温度管理の注意についても同じです。
クラミジアの治療
猫クラミジア感染症の治療には、有効な抗生物質があります。
それを、点眼・点鼻で投与するか、もしくは、全身投与します。
この抗生物質を通常、14日以上投与することが必要となります。
体力のある猫であれば、2~6週間で治癒するケースが多いですね。
猫風邪の予防はワクチンが効果的
猫風邪の予防で一番効果的なのは、やはりワクチン接種になります。
絶対にかからないというわけではありませんが、接種しておけば比較的軽症ですむことが多いので、室内飼いであってもワクチン接種はとても大切になります。
また、野良猫からウイルスをもらってきてしまった!なんてことのないように、外でほかの猫ちゃんを触ったらしっかりと手洗いをしてくださいね。
多頭飼いの場合は、風邪をひいてしまった猫ちゃんを隔離してほかの子にうつらないようにしてあげてください。
関連記事:子猫のワクチン接種の時期や注意点とは?
まとめ
子猫は免疫力が低く体力もないので、風邪が命取りになってしまうこともあります。
また、治療が遅れると慢性化しやすくなりますので、風邪かな?と思ったら早めに受診することが大切です。

猫風邪は油断すると重症になるケースが多いのですが、最初の症状は軽いことも多いため、ついつい見逃しがちなんです。うちの猫ちゃんも、鼻水と目やにが気になるな・・・程度が、いつの間にかひどくなってしまい、病院に連れて行った時に獣医さんに怒られた経験があります。
ただの風邪・・・と油断せず、しっかり対処していきましょう。
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