猫は人間と会話ができませんから、飼い主は猫の仕草を見て感情を理解することが大切です。
猫は怒っている時、喜んでいる時、不安な時にしっぽが動きます。
猫のしっぽには、感情表現のほかに、生きていくために重要な機能も果たしています。
この記事は猫のしっぽの役割や、動きによる気持ちの違いについて紹介していきます。
猫はしっぽの動きだけで4種類の役目が存在している
猫のしっぽは、一般的に18~19個の骨に支えられています。
さらに前後左右に動かす4つの筋肉と、細かい動きをつかさどる8つの筋肉から成り立っています。
先端にかけて少しずつ細くなっていくのが特徴です。
しっぽには神経が通っているため、間違って踏んでしまった時も「ギャ!」と鳴いて嫌がります。
高い所から落ちないようにバランスをとっている
猫は障害物がある狭い場所や、高い場所を移動する時にしっぽを動かします。
しっぽを左右に動かしながら骨盤の位置を調節していき、常に体のバランスを保っているんです。やはり、しっぽの短い猫は塀や高い所から落ちる確率も上がります。
ちなみに我が家の猫は、しっぽが長めです。階段の手すりから落ちたことがありますが、怪我をしないのは感動ものです。
寒い時はしっぽがマフラー代わりになる
猫は床が冷えている時、眠る時に寒い時などにしっぽが大活躍します。
人間で言えばマフラー変わりになる感じですね。寒い時は、体を丸くして「しっぽ」を顔に巻きつける姿勢で眠ります。しっぽを両手に巻きつけてお座りしている時もあります。
自分の臭いをマーキングため
自分の臭いをすりつける時は「しっぽ」の出番です。猫のしっぽには自分の臭いを発する臭腺があります。所有権を主張したい時に「しっぽ」を役立てています。
猫が何を考えているのか分かる
猫の感情は、しっぽの動きと連動しており、気分に応じて勝手にしっぽが動きます。
残念ながら、しっぽの動きで飼い主に気持ちを伝えている訳ではないようです。
関連:猫の仕草は子猫の時の名残り?~仕草から読み取る猫の気持ち~
猫は気分で14種類もしっぽの動きを使い分けている
猫は、恐怖を感じていたり、イライラしている時、気分が良い時に巧みにしっぽを動かし気持ちを伝えているのが分かります。また、しっぽの揺らし方によって「気持ち」の度合いが違います。気分で14種類もしっぽの動きを使い分けているそうですよ!
ここでは猫のしっぽの動きとその意味をみていきましょう。
関連:【意味を知りたい!】猫がしっぽをパタパタするのはどんな時?
猫のしっぽの動き① 犬と反対の意味をもつ
犬は嬉しい時にしっぽを振って喜びますよね?猫は機嫌が悪い時もしっぽを振ります。
まるで「聞こえているから話しかけないで」と言われているような仕草で、しっぽをブンブンと振ります。
猫のしっぽの動き② ハンターの名残
小刻みに動いているのは、獲物を狙っていたハンターの証とも言えます。
そもそも猫は、鳥や素早く動くものに反応する傾向があり、仕留めるチャンスをうかがうため連動してしっぽも動きます。タイミングを測るために、小刻みに動かしているのです。
猫のしっぽの動き③ 敵意がない時は垂直に立てる
甘えたい時、遊びたい時には、しっぽを垂直に立てて要求するケースがあります。子猫時代に母猫がお尻を綺麗にしていた名残で、相手に敵意がない証拠です。猫同士の挨拶も、お尻の臭いを嗅ぐため垂直に立てます。
猫のしっぽの動き④ 怒りのポーズ
しっぽを弓なりにしている時。我が家では「怒りのポーズ」と呼んでいます。
この時はしっぽが膨らみ、被毛が逆立ち、長いしっぽは弓なりになって、つま先立ちの横歩き威嚇体制になります。野良猫が来た時や、おもちゃで興奮し始めた時に見られます。
関連:【そっとしとくべき?】猫のしっぽが膨らむ時はこんな気持ち!)
しっぽの特徴と猫の品種
猫と言えば「しっぽ」長いイメージが定着していますよね。でも江戸時代までは、しっぽの短い猫が好まれていたんですよ。
それは古くからしっぽの長い猫は、「猫又(猫股)」といって、年をとるにつれてしっぽの先端が二つに分かれ、人の言葉を理解できる化け猫になる言い伝えがあり、人々はそのことを恐れていたんですね。当時、この言い伝えがあったためか、しっぽの長い猫は少なかったようです。
それではしっぽの種類とそれぞれの品種を見て行きましょう。
長いしっぽをもつ品種
筋肉質な体型で、しっぽも細くて長いといった感じでしょうか。日本でもよく見かける「アメリカンショートヘアー」も長めのしっぽ猫代表です。
しっぽが太くて長い品種
長毛種の猫が勢ぞろい。被毛の量が多いので、全体的にフサフサしている猫に見られます。
短いしっぽの品種
原産国が日本のジャニーズボブテイル(純血種)は、ボンボンがちょこんと乗っているようなしっぽをしています。
また、イギリス・マン島原産のマンクス(純血種)の「スタンピー」や「ロンギー」と呼ばれるタイプは、しっぽがかなり短めです。
しっぽが短く先端が曲がっている猫は、長崎県に生息している野良猫(雑種)に多いです。
しっぽがない猫
先ほど紹介したマンクスの中でも「ランピー・キムリック」と呼ばれる品種は、しっぽがまったくありません。
当然変異によるものですが、歩く姿が飛び跳ねている動きから「ラビットキャット」とも呼ばれています。
まとめ
猫のしっぽは、気持ちがストレートにでてしまう部位。ほかに体のバランスや、体を温める役割があるなど猫にとっては重要な部位と言えます。
しっぽが短めな猫は、バランスをうまく調節できない部分から、性格がおとなしい面があります。猫にも感情はありますが、人間と言葉が通じないだけあって、コミュニケーションが難しいと感じますよね。そんな時は、ぜひ猫のしっぽの動きで判断してみてください。
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