猫に咬まれた指が、その日のうちに赤く腫れてくることがあります。猫の口の中にふつうにいる菌によるパスツレラ症で、早いときは咬まれて1時間以内に腫れと痛みが出ます。厚生労働省の「動物由来感染症ハンドブック2026」は、猫から人にうつる主な病気として、狂犬病を含めて10の病名を挙げています。
いま咬まれた・ひっかかれた人へ
- すぐに石けんとぬるま湯で傷をよく洗います。傷が深い、赤く腫れる・痛む・熱をもつ、咬んだ猫の具合が悪い、最後の破傷風の予防接種から5年以上たっている(覚えていない)ときは、人の医療機関へ。腫れや赤みが短い時間でどんどん広がるときは、その日のうちに受診してください
- 体調の悪い猫に咬まれたあと、熱やだるさ、吐き気が出たときは、医療機関で猫の様子と咬まれたことを伝えてください。受診の目安はこちら
- まず結論:猫からうつる主な病気は10種、予防の柱は手洗い・口移ししない・布団で一緒に寝ないの3つ
- 咬み傷・ひっかき傷からうつるのは、パスツレラ症と猫ひっかき病
- トキソプラズマ症と回虫症は猫のふんから口に入ってうつるので、ふんは毎日片づける(トキソプラズマは24時間以内に)
- 猫カビ(皮膚糸状菌症)と疥癬は、皮膚や毛との接触でうつり、人ではかゆい発疹が出る
- SFTSは発症した猫からうつることがあり、発症していない猫や室内だけの猫からの報告はない
- 人から猫へは新型コロナやインフルエンザの例があり、歯周病は確かな報告が見当たらない
- 猫の口や毛には人にうつる菌などがいることがあるので、触ったら手を洗い、口移しも同じ布団で寝ることもしない
- 妊娠中や免疫が落ちている人はトイレ掃除を家族に任せ、高齢者は咬み傷を軽く見ない
- 受診の目安:人の症状は人の医療機関へ行き、猫を飼っていることと猫の様子を医師に伝える
- よくある質問
- 今日からできるのは、トイレのふんを毎日片づけて、終わったら手を洗うこと
まず結論:猫からうつる主な病気は10種、予防の柱は手洗い・口移ししない・布団で一緒に寝ないの3つ
猫から人にうつる主な病気は厚生労働省の資料で10種あり、予防の基本は、触ったあとの手洗い、口移しをしないこと、布団で一緒に寝ないことの3つです。多くは咬み傷・ひっかき傷、ふん、皮膚や毛への接触でうつります。
| 病名 | 主なうつり方 | 人のおもな症状 | 症状が出るまで | 予防 |
|---|---|---|---|---|
| パスツレラ症 | 咬まれる。せきやくしゃみのしぶき | 咬まれた所の腫れと痛み。気道からだと風邪のような症状、気管支炎、肺炎 | 早いときは1時間以内 | 咬まれないようにする。口移し・キスをしない |
| 猫ひっかき病 | 菌を持つ猫にひっかかれる・咬まれる。まれにネコノミから | 傷のぶつぶつや水ぶくれ、発熱、そのあとリンパ節の痛みと腫れ | 1週間前後 | ひっかかれないようにする。猫のノミ対策 |
| トキソプラズマ症 | 猫のふんに出た原虫のオーシスト(卵のような形の粒)が口に入る。加熱の足りない肉 | 健康な人の多くは無症状。妊娠中の初感染では胎児にうつることがある | ― | ふんは24時間以内に片づける。肉は十分に加熱。猫に生肉を与えない |
| 皮膚糸状菌症(猫カビ) | 感染した猫や、抜けた毛がついた物に触れる | 赤くかゆい輪の形の発疹。頭皮ではかゆみのある丸い脱毛 | 4〜14日 | 猫を早めに動物病院へ。世話は手袋と長袖で |
| SFTS(重症熱性血小板減少症候群) | 主にマダニに刺される。発症した猫に咬まれる、体液に触れる | 発熱、だるさ、吐き気や下痢などの消化器症状。ときに重症化し、高齢者でとくに重くなりやすい | マダニに刺されて6日〜2週間程度(猫に咬まれた場合はより短いことがある) | 猫のマダニ対策。具合の悪い猫はマスクと手袋をして動物病院へ |
| 猫の疥癬(ネコショウセンコウヒゼンダニ) | 疥癬の猫と長く直接触れ合う | 強いかゆみ、ときに発疹(人にうつることはまれ) | ― | 疥癬の猫は動物病院へ。治療が終わるまで抱いて寝ない |
| カプノサイトファーガ感染症 | 咬まれる・ひっかかれる。傷口をなめられる | 発熱、だるさ、腹痛、吐き気、頭痛。まれに重症化 | ― | 傷口をなめさせない |
| 回虫症 | 猫のふんに出た回虫の卵が、土や洗っていない手から口に入る | 多くは無症状。目の炎症や視力の低下、熱、せき、肝臓の腫れ。重くなるのは小さな子どもに多い | ― | 猫の駆虫を獣医師と相談。ふんはそのつど片づける。砂場や土いじりのあとは手を洗う |
表の「症状が出るまで」の数字は、病気ごとに資料が示した目安で、互いに比べるものではありません。1時間以内はパスツレラ症、1週間前後は猫ひっかき病、4〜14日は猫カビ、6日〜2週間程度はSFTSの話です。
ハンドブックが猫について挙げる10の病名は、猫ひっかき病、トキソプラズマ症、回虫症、Q熱、パスツレラ症、カプノサイトファーガ感染症、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、皮膚糸状菌症、SFTS、狂犬病です。このうち飼い主が日々の世話で出会いやすいのは、パスツレラ症、猫ひっかき病、トキソプラズマ症、猫カビ、SFTSの5つです。猫の疥癬はこの一覧には入っていませんが、猫から人にうつってかゆみが出る皮膚の病気なので表に加えました。
表にないQ熱は、家畜やペットからうつり、原因の分からない熱やだるさが出る病気です。コリネバクテリウム・ウルセランス感染症は、くしゃみや鼻水など風邪のような症状の猫との接触やしぶきでうつり、人では風邪のような症状のあと、のどの痛みやせきが出て、まれに重症化して亡くなることもあります。風邪のような症状や皮膚病のある猫に触れたあとは手を洗い、熱やのどの痛みが続くときは猫を飼っていることを伝えて受診してください。
狂犬病は、1957年を最後に、人にも動物にも国内で感染した例がありません。ただし世界のほとんどの地域で発生しており、発症するとほぼ100%亡くなります。1970年、2006年、2020年には、海外で犬に咬まれた人が帰国後に発症して亡くなっています。旅行先で猫や犬に咬まれたら、すぐ傷口を石けんときれいな水でよく洗い、速やかに現地の医療機関で傷の処置と狂犬病ワクチンの接種などを受けてください。
人と動物の共通感染症(人獣共通感染症)とは、動物から人へ、人から動物へうつる感染症のことです。ハンドブックによれば、知られている人の感染症のおよそ60%がこれに当たります。猫から人へだけでなく、人から猫へうつる病気もあります。
咬み傷・ひっかき傷からうつるのは、パスツレラ症と猫ひっかき病
パスツレラ症と猫ひっかき病は、健康に見える猫に咬まれたり、ひっかかれたりしてうつる病気で、傷が浅くても起こります。
パスツレラ症の菌は、猫の口や気道にふつうにいます。咬まれた所が腫れて痛み、ひどいときは皮膚の下の炎症が傷のまわりから急に深く、広い範囲へ進みます。猫のくしゃみを吸い込んでうつった場合は、風邪に似た症状から、気管支炎や肺炎、副鼻腔炎に進む人もいます。
猫ひっかき病の菌を持っている猫はとくに子猫に多く、菌を持つ猫も患者も西日本に多く見られます。皮膚の表面が少し破れただけのひっかき傷でもうつることがあります。ひっかかれてから1週間前後で傷にぶつぶつや水ぶくれができて熱が出て、そのあと傷に近いリンパ節(腕の傷ならわきの下、足の傷なら足の付け根)が痛んで腫れます。多くは数週間から数か月で自然に治まりますが、リンパ節が腫れてきたら人の医療機関で診てもらいます。
カプノサイトファーガ感染症の菌も猫の口の中にふつうにいて、咬み傷やひっかき傷のほか、傷口をなめられてうつることもあります。患者の大半は40歳代以上で、まれに敗血症や髄膜炎を起こし、亡くなることもあります。重症化すると進行が速い病気です。
咬まれない・ひっかかれない工夫
- 猫の爪をこまめに切る。爪切りを嫌がって暴れるときは続けず、日を改める
- 手を獲物に見立てたじゃれ合いをしない。手荒な遊びをすると、猫は人に身構えるようになります。遊ぶときはじゃらしなどのおもちゃを使う
- 猫にノミの駆除や予防の薬を使う(猫ひっかき病はネコノミからうつることもあるため)
- 手や腕の傷を、猫になめさせない
トキソプラズマ症と回虫症は猫のふんから口に入ってうつるので、ふんは毎日片づける(トキソプラズマは24時間以内に)
トキソプラズマ症は、猫のふんに出たトキソプラズマ原虫のオーシスト(卵のような形の粒)が、手などを介して口に入ってうつる病気で、妊娠中に初めてかかると胎児にうつることがあります。
ふんに出たオーシストは、人にうつる力を持つまでにおよそ24時間かかります。厚生労働省のハンドブックが「糞便の処理は毎日(24時間以内に)」と勧めているのはこのためです。猫だけが感染源ではなく、加熱の足りない肉(とくに豚肉)を食べたり、土いじりをしたりしてうつることもあります。
健康な大人や子どもが初めて感染しても、多くは症状が出ません。ただし体の中に潜んだまま残り、のちに免疫の力が落ちると脳炎や肺炎を起こすことがあります。
猫に生肉を与えないことも、ハンドブックが挙げる予防の1つです。生肉や加熱の足りない肉には、寄生虫や食中毒の菌がいるおそれがあります。
回虫症も、猫のふんに出た回虫の卵が、土や洗っていない手から口に入ってうつります。うつっても症状が出ない人が多い一方、重くなるのは汚れた土で遊んだり土を口にしたりした小さな子どもに多く、目の炎症や視力の低下が起こることもあります。猫の駆虫を獣医師と相談し、子どもが砂場や庭で遊んだあとは手を洗わせます。
猫カビ(皮膚糸状菌症)と疥癬は、皮膚や毛との接触でうつり、人ではかゆい発疹が出る
猫カビは、感染した猫や抜けた毛に触れてから4〜14日で、人に赤くかゆい輪の形の発疹が出る病気で、猫の疥癬が人にうつることはまれです。
皮膚糸状菌症はカビ(真菌)の一種による病気で、飼い主のあいだでは「猫カビ」とも呼ばれます。猫では、毛が折れて抜け、かさぶたやふけのついた丸い脱毛ができます。出やすいのは顔、耳の先、しっぽ、足です。子猫や長毛の猫では長引いたり広がったりしやすく、抜けた毛についた胞子が家の中に広がる原因になります。人では、カビに触れてから4〜14日ほどで、赤くかゆい輪の形の発疹が出ます。頭皮では、かゆみのある赤い丸い脱毛になります。
猫カビかもしれないとき(CDCの助言より)
- すぐに動物病院で診てもらう。同居の猫も一緒に診てもらう
- 世話をするときは手袋と長袖を身につける
- 触ったあとは石けんと流水で手を洗う
- 猫がよくいる場所に掃除機をかけ、寝床などを洗う
猫の疥癬は、ネコショウセンコウヒゼンダニというごく小さなダニによる皮膚の病気です。猫には強いかゆみが出て、耳、頭、首からかさぶたと脱毛が始まり、全身に広がることもあります。猫どうしでは触れ合うだけでうつります。人にうつることはまれですが、長く直接触れ合うと強いかゆみや、ときに発疹が出ます。疥癬と診断された猫がいて家族にかゆみや発疹が出たら、皮膚科などの医療機関で猫の病名を伝えます。
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SFTSは発症した猫からうつることがあり、発症していない猫や室内だけの猫からの報告はない
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は主にマダニに刺されてうつる病気で、発症した猫に咬まれて人が感染した事例も報告されています。
SFTSは、人も猫も命を落とすおそれのあるウイルスの感染症です。厚生労働省のQ&Aによれば、発症した猫は約6割が死亡し、熱が出る、元気がなくなる、吐く、黄疸が出るといった症状を示します。人のおもな初期症状は発熱、全身のだるさ、消化器の症状で、高齢者はとくに重症化しやすい病気です。マダニに刺されてから症状が出るまでは6日〜2週間程度で、猫に咬まれてうつった場合はそれより短いことがあります。西日本で患者の報告が多いものの、全国で注意が必要で、春から秋に多く発生します。
発症していない猫や、屋内だけで飼っている猫から人が感染した事例は、これまで報告されていません(厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A」)。
猫が熱っぽくぐったりしている、吐くといった様子のときは、マスクと手袋をして咬まれたりなめられたりしないようにして、動物病院で診てもらいます。猫についたマダニに触れただけではうつりませんが、食い込んだマダニは無理に取らず、動物病院で取ってもらいます。人がマダニに刺されたときも自分で引き抜かず、皮膚科などで取ってもらいます。刺されてから数週間は体調に気をつけ、熱が出たら早めに医療機関で、マダニに刺されたことを伝えて診てもらってください。
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人から猫へは新型コロナやインフルエンザの例があり、歯周病は確かな報告が見当たらない
人から猫へうつった例があるのは新型コロナウイルスとインフルエンザで、人の歯周病が猫にうつったという確かな報告は、編集部が調べた範囲では見当たりません。
CDCによれば、新型コロナウイルスは、感染した人と近くで接した猫や犬にもうつり、世界中で感染が見つかっています。猫が重い症状になることはきわめてまれで、具合が悪くなった猫も多くは軽く済んで回復しています。米国アイオワ州では2009年、インフルエンザのような症状が出た家族と暮らす13歳の室内飼いの猫が、当時流行した新型インフルエンザ(H1N1)に感染していたと報告され、人から猫にうつったと推定されています(米国の医学誌Emerging Infectious Diseases・2010年)。
CDCは、新型コロナにかかったときやその疑いがあるときは、人に対するのと同じようにペットとの接触も避けるよう勧めています。なでる・抱く・同じ布団で寝るといった触れ合いや世話は、よくなるまで家族に代わってもらいます。人のマスクを猫につけるのは、猫を傷つけるおそれがあるのでやめます。猫のFIPのもとになる猫コロナウイルスは、新型コロナウイルスとは別のウイルスです。
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歯周病は人と猫のあいだでうつる?
人の歯周病が猫に、猫の歯周病が人にうつって病気になったという確かな報告は、編集部が調べた範囲では見当たりません。
人から猫への向きについては、オランダで猫と飼い主の口の中の菌を比べた研究(獣医微生物学の専門誌・2010年)があります。猫から見つかったポルフィロモナス属の菌は猫に多い種類、飼い主から見つかったのは人に多い種類で、別の菌でした。
猫から人への向きについては、同じ研究で、歯周病に関わる菌の一つ(タンネレラ・フォーサイシア)が、調べた6組のうち1組で猫と飼い主で同じ型でした。研究者は猫から飼い主にうつった可能性を考えています。ただし調べたのは6組だけで、菌が同じだったという結果であり、飼い主が歯周病になったことを示したものではありません。
うつるかどうかが分からないうちは、猫に口移しで食べ物を与えない、人の箸やスプーン、食器を猫と共用しないことを習慣にします。厚生労働省のハンドブックも、薬の効きにくい菌(薬剤耐性菌)を人からペットへ、ペットから人へ広げないために、口移しや食器の共有をやめるよう勧めています。猫自身の歯ぐきの赤みや口のにおいが気になるときは、動物病院で相談します。

猫の口や毛には人にうつる菌などがいることがあるので、触ったら手を洗い、口移しも同じ布団で寝ることもしない
厚生労働省のハンドブックが挙げる日常の注意のうち、編集部が毎日の基本にしたのは、触ったあとの手洗い、口移しや食器の共用をやめること、布団で一緒に寝ないことです。
猫の口の中には人にうつる菌がいることがあり、毛にはカビの菌糸や寄生虫の卵がついていることもあります。触った手で、知らないうちに自分の目や口、傷口を触ってしまうので、猫に触れたあとは流水で手を洗います。

布団で一緒に寝ないことについて、厚生労働省のハンドブックは、動物を布団に入れて寝ることを濃厚接触として控えるよう勧めています。足元で寝ていた猫が明け方に枕元まで上がってきて、結果的に一緒に寝ていることもあるので、寝室のドアを閉めるかどうかで線を引きます。猫カビや疥癬と診断された猫がいるとき、家族が妊娠中のときや免疫の力が落ちているときは、とくに寝室を分けます。
ほかに続けたいこと(厚生労働省のハンドブックとCDCより)
- 朝、顔をなめに来ても、口や目元はなめさせない
- 一緒にお風呂に入らない
- ブラッシングや爪切りをこまめにし、寝床・タオル・敷物を洗う
- 定期的に健康診断を受けさせる
- 庭いじりのあとや、食べたり飲んだりする前にも手を洗う
動物は病原体を持っていても、症状が軽いか、まったく出ないことがあります。元気な猫でも、手洗いは毎回の習慣にします。野良猫や弱った野生動物には、むやみに触れないでください。
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妊娠中や免疫が落ちている人はトイレ掃除を家族に任せ、高齢者は咬み傷を軽く見ない
妊娠中の人や免疫の力が落ちている人は猫からうつる病気で重い合併症を起こしやすいため、CDCはできれば猫のトイレ掃除をしないよう勧めています。
厚生労働省のハンドブックも、小さな子ども、妊婦、高齢者はいったん発病すると重症化しやすいとして注意を呼びかけています。妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、胎児にうつって流産や死産、生まれた子どもの病気につながることがあります。
妊娠中・高齢の家族・小さな子がいる家
- 妊娠中:トイレ掃除はほかの家族に頼む。どうしても自分でするなら手袋をして、毎日片づけ、終わったら手を洗う。肉はよく加熱して食べ、土いじりのあとも手を洗う。熱やリンパ節の腫れが出たら、妊婦健診を待たずに産科に相談する
- 高齢の家族、免疫の力が落ちる治療を受けている家族:咬み傷やひっかき傷を小さなものと思わず、傷が小さくても熱やだるさが出たらすぐ医療機関へ行き、猫に咬まれたことを伝える。猫に傷をなめさせない
- 5歳未満の子ども:猫と遊んだあとや砂場で遊んだあとは、大人がそばで手洗いを見守る
妊娠や持病で心配があるときは、猫を手放すかどうかを考える前に、まず主治医に「猫を飼っている」と伝えて相談してください。
受診の目安:人の症状は人の医療機関へ行き、猫を飼っていることと猫の様子を医師に伝える
咬み傷が赤く腫れて熱をもつ、ひっかかれたあとにリンパ節が腫れるといった人の症状は人の医療機関で診てもらい、猫を飼っていること、猫の健康状態、咬まれた・ひっかかれたといった接触を医師に伝えます。猫のぐったりした様子や黄疸、丸い脱毛は動物病院で診てもらいます。
動物からうつる病気は、はじめは風邪やインフルエンザ、よくある皮膚病に似た症状のことが多く、見つかるのが遅れがちです。
人の医療機関へ
- 咬まれた・ひっかかれた傷が深い、赤く腫れる、痛む、熱をもつ。咬んだ猫の具合が悪い。破傷風の予防接種から5年以上たつ(覚えていない)。腫れが急に広がるときはその日のうちに
- ひっかかれたあと、熱が出る、わきの下や首などのリンパ節が腫れて痛む
- 体調の悪い猫に咬まれた、体液に触れたあと、熱やだるさ、吐き気・下痢が出た
- 猫がSFTSと診断され、家族に熱、吐き気や下痢、頭痛、筋肉痛などが出た(咬まれていなくても、すぐ受診し、猫がSFTSと診断されたことを伝える)
- マダニに刺された(自分で抜かない)。刺されたあと数週間のうちに熱が出た
- 猫と暮らしていて、輪の形のかゆい発疹や丸い脱毛ができた
- 妊娠中で、猫のトイレ掃除や生肉の扱いが心配
猫を動物病院へ
- 熱っぽくぐったりしている、吐く、白目や歯ぐきが黄色い(マスクと手袋をして連れていく)
- 顔、耳の先、しっぽ、足などの毛が丸く抜け、かさぶたやふけがある
- 強くかゆがり、耳や頭、首にかさぶたができている
猫が人にうつる病気と診断されたら、人にうつるかどうかと、家での世話の仕方を獣医師に聞いておきます。人の治療は医療機関で、猫の治療は動物病院で受けてください。
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よくある質問
室内飼いの猫でも病気はうつる?
室内飼いでも、猫の口の中にふつうにいる菌によるパスツレラ症などは、咬まれるとうつることがあります。元気に見える猫でも、口の中や毛に人にうつる菌などを持っていることがあるためです。一方で、屋内だけで飼っている猫からSFTSがうつった事例は、これまで報告されていません。
猫になめられても大丈夫?
口や目元、傷口はなめさせないようにします(厚生労働省のハンドブック)。カプノサイトファーガ感染症は傷口をなめられてうつることがあり、なめられた傷が腫れたり熱が出たりしたら医療機関へ行ってください。
猫の歯周病は人にうつる?
猫の歯周病そのものが人にうつったという報告は、編集部が調べた範囲では見当たりません。ただし猫の口の中にふつうにいる菌は、咬まれたり傷口をなめられたりすると人にうつることがあり、パスツレラ症とカプノサイトファーガ感染症がこれに当たります。咬み傷やなめられた傷が赤く腫れたり、熱が出たりしたら医療機関へ行ってください。
今日からできるのは、トイレのふんを毎日片づけて、終わったら手を洗うこと
次にトイレを片づけるときから、ふんを毎日片づけ、スコップを置いたらそのまま洗面所へ向かって石けんで手を洗う順番にします。毎日片づけていれば、ふんが人にうつる力を持つ前に取り除けます。家族に妊娠中の人がいるなら、この役目を誰が担うかも今日のうちに決めておきます。
この記事について
ふぁみもん編集部が、公開されている資料をもとに執筆・編集しました。文章の下書きと公開前の点検に生成AIを補助として使い、採否と最終判断は編集部が行っています。獣医師など資格を持つ専門家の監修は受けておらず、生成AIによる点検は専門家の確認には当たりません。一般的な情報であり、個々の猫の診断・治療はかかりつけの動物病院の判断を優先してください。点検の手順と訂正の方針は編集方針に、誤りのご指摘はお問い合わせへお願いします。本文の写真は生成AIで作ったイメージです。
参考資料
- 動物由来感染症ハンドブック2026(厚生労働省 健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課・2026年・PDF)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫から人にうつる主な感染症10種と、狂犬病が国内で長期間見つかっていない印、狂犬病(1957年以降国内感染なし・1970年/2006年/2020年の輸入例・発症するとほぼ100%死亡・世界のほとんどの地域で発生・発症した猫などに咬まれてうつる・渡航先で咬まれたときの洗浄と医療機関での処置・ワクチン接種)、Q熱(家畜やペットから感染し原因不明熱や倦怠感)、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症(風邪に似た症状・咽頭痛や咳・まれに呼吸困難や死亡・接触や飛沫・風邪様症状や皮膚病の動物との接触を控え手洗い)、回虫症が糞便からうつる病気に分類されていること、砂場や公園・土いじりのあとの手洗い、人獣共通感染症の定義と人の感染症の約60%、パスツレラ症(症状・1時間以内・うつり方・予防)、猫ひっかき病(1週間前後・症状・自然に治まること・ネコノミ・子猫の保菌率・西日本・予防)、カプノサイトファーガ感染症(症状・40歳代以上・まれな敗血症や髄膜炎と死亡・傷口をなめられてうつる)、トキソプラズマ症(妊婦の初感染・無症状・免疫低下時の脳炎や肺炎・うつり方・約24時間・予防)、SFTS(症状・高齢者・西日本・春から秋・猫からの感染例)、薬剤耐性菌を人とペットのあいだで広げないための口移し・食器共有の中止、日常生活で注意すること(口移し・箸の共用・口や目元・入浴・布団・手洗い・生肉・ふん・手入れ)、受診時に飼育状況を伝えること、子ども・妊婦・高齢者の重症化、動物は無症状のことがあること、病気と診断されたら人にうつるか獣医師に聞くこと。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫に咬まれて感染した事例、発症していない猫や屋内のみで飼育されている猫からの感染事例は報告されていないこと、発症した猫の症状と約6割の死亡、体調不良の猫はマスク・手袋をして動物病院へ、マダニに触れただけではうつらないこと、食い込んだマダニは獣医師に取ってもらうこと、潜伏期間6日〜2週間程度と猫に咬まれた場合はより短いことがあること、人がマダニに刺されたときは無理に引き抜かず皮膚科などで除去し、数週間は体調に注意して発熱したらマダニに刺されたことを伝えて受診すること(Q14)、飼っている猫がSFTSと診断され飼い主に発熱・消化器症状・頭痛・筋肉痛などが出たら迅速に受診し猫の発症を医師に伝えること(Q34)。
- Cats(米国疾病予防管理センター CDC Healthy Pets・2026年6月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 皮膚の表面だけのひっかき傷でも猫ひっかき病が起こりうること、傷はすぐ石けんとぬるま湯で洗い、深い・赤い・痛い・熱い・腫れるとき、猫の具合が悪いとき、破傷風の接種から5年以上のときは受診、手荒な遊びを避けること、手洗いの場面、トイレは毎日替えスコップを使っても手を洗うこと、免疫が落ちている人と妊婦は合併症のリスクが高くできればトイレ掃除をしないこと、5歳未満の子どもの手洗いを大人が見守ること、寄生虫予防を獣医師と相談すること。
- Ringworm Prevention(CDC・2026年2月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 白癬(皮膚糸状菌症)がペットから人にうつること、ペットがかかったときの対策(すぐ動物病院・手袋と長袖・手洗い・掃除機・寝床などの消毒・ほかのペットも診てもらう)。
- Symptoms of Ringworm(CDC・2026年2月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 接触から4〜14日で症状が出ること、赤くかゆい輪の形の発疹、頭皮のかゆみのある赤い丸い脱毛。
- What You Should Know about COVID-19 and Pets(CDC・2024年5月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 新型コロナウイルスが近い接触で人から動物にうつること、世界中で猫や犬が感染したこと、重い症状はきわめてまれで多くは軽く回復したこと、感染時に避けるべき接触の例、ペットにマスクをつけないこと。
- About Toxocariasis(CDC・2024年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 犬や猫の回虫の卵がふんに出て、汚れた土や洗っていない手から口に入ること、多くの人は症状が出ないこと、目の炎症や視力の低下・熱・せき・肝臓の腫れ、重症例は汚れた土で遊んだり食べたりした小さな子どもに多いこと、猫の検査と駆虫・ふんをそのつど片づけること・手洗い。
- Influenza A Pandemic (H1N1) 2009 Virus Infection in Domestic Cat(Emerging Infectious Diseases・2010年・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: アイオワ州の13歳・室内飼い・1頭飼いの猫が新型インフルエンザ(H1N1)2009に感染し、インフルエンザ様の症状が出た家族と接していたこと、人から猫への感染が推定されたこと。
- Comparison of periodontal pathogens between cats and their owners(Veterinary Microbiology・2010年・英語・要旨)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫のポルフィロモナス属の菌はP. gulae、飼い主はP. gingivalisと考えられたこと、タンネレラ・フォーサイシアが6組中1組で同一だったこと、研究者が猫から飼い主への伝播を仮説として示したこと、調べた組数が6組であること。
- Feline infectious peritonitis in cats(PDSA・2023年11月公開・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫コロナウイルスは新型コロナウイルス(Covid-19)とは別のウイルスであること。
- Ringworm (Dermatophytosis) in Cats(MSD獣医マニュアル 飼い主向け版・2024年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫の症状(毛の折れた、かさぶたやふけのある脱毛)と出やすい場所(顔・耳の先・しっぽ・足)、子猫と長毛の猫で長引きやすいこと、折れた毛と胞子が広がりのもとになること、人によくうつること。
- Mite Infestation (Mange, Acariasis, Scabies) of Cats(MSD獣医マニュアル 飼い主向け版・2026年6月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫の疥癬で強いかゆみが出ること、耳・頭・首からかさぶたと脱毛が始まり全身に広がりうること、猫どうしで接触によりうつること。
- Exploring Common Types Of Feline Mange(テキサスA&M大学獣医学部 Pet Talk・2024年1月・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫の疥癬のダニが人にうつることはまれだが、長く直接触れ合うと強いかゆみや発疹が出ることがあること。
編集部の計算・目安(上記の資料が示した値や基準ではありません)
- 早見表は、上記の資料の記載を編集部が並べ直したもの。猫の疥癬は厚生労働省のハンドブックの猫の一覧には入っておらず、MSD獣医マニュアルとテキサスA&M大学の記載から編集部が加えた
- 「猫カビ」は皮膚糸状菌症の通称として編集部が併記したもの
- 人の歯周病が猫に、猫の歯周病が人にうつったことを示す報告が「見当たらない」は、編集部が上記の研究などを調べた範囲での判断で、どちらの向きについても、うつらないと示した資料ではない
- 爪切りを嫌がるときは日を改めること、おもちゃで遊ぶこと、疥癬の猫と治療が終わるまで抱いて寝ないこと、妊娠中にトイレ掃除をする場合の手袋、妊娠中に熱やリンパ節の腫れが出たら妊婦健診を待たずに産科に相談すること、皮膚科などで病名を伝えること、猫の歯ぐきの赤みや口のにおいで相談すること、寝室のドアで線を引くこと、新型コロナのときの世話を家族に代わってもらうことは、資料の記載に一般的な注意を加えて編集部がまとめたもの
- 咬み傷の腫れが急に広がるときの「その日のうちに受診」は、ハンドブックの「急速に、皮下の炎症が深く広い範囲に拡大」「早いときは1時間以内に発症」をもとに、編集部が受診の急ぎ方を書き添えたもの
- 毎日の予防を「手洗い・口移しや食器の共用をやめる・布団で一緒に寝ない」の3つに絞ったのは編集部の選択で、ハンドブックが3つと定めているわけではない
- 回虫症の表の行と短い説明は、ハンドブックの分類(ふんからうつる病気)と砂場・土いじりのあとの手洗いの記載に、CDCの回虫症の解説を合わせて編集部がまとめたもの
- 猫ひっかき病の「腕の傷ならわきの下、足の傷なら足の付け根」は、ハンドブックの「傷口の上位のリンパ節」を編集部が例で言い換えたもの
- 受診の目安の2段の区分と、猫の「白目や歯ぐきが黄色い」は、SFTS Q&Aの黄疸の記載をもとに編集部が言い換えたもの
最終更新: 2026年10月9日(更新内容: 新規公開)


