子猫のミルクの量と回数|週齢別の目安と、いつまで続けるか

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子猫のミルクは、1日に体重の約20%を、2〜3時間おきに分けて与えるのが基本です。体重100gの子猫なら1日20ml、1回あたり2ml前後。まず、はかりに載せて体重を測るところからです。

ただし、ミルクを溶かす前に確認してほしいことがあります。

【今すぐ】体が冷たいなら、ミルクより保温が先

冷えた体ではミルクを消化できず、かえって負担になります。あわせて鳴き声に力がない、歯ぐきが白っぽい、体をピクピクと震わせているといった様子があれば、温めながら、すぐに動物病院へ連絡してください(数時間で進む低血糖のおそれがあります)。

熱源は箱の片側だけに置き、肌に直接当てないでください。2週齢未満の子猫は、熱くても自力で離れることができないからです。冷え切っている場合、急に温めるとかえって負担になるので、時間をかけて温めながら連絡してください。

箱の中の温度は、生後1週前後で30〜32℃が目安です。必要な温度は成長とともに下がり、2〜3週で27℃前後、4週を過ぎたら24℃前後を目安に段階的に下げていきます。手の感覚では分からないので、箱の中に温度計を入れて実測します。温度計が手元になければ、まずは熱源から離れた側に子猫を置き、こまめに触れて熱すぎないかを確かめてください。翌朝いちばんに温度計を用意します。

ペットヒーターがなければ、ペットボトルにお湯を入れ、タオルで二重に包みます。通常のペットボトルは熱湯で変形するので40〜50℃まで。耐熱表示のあるボトルなら50〜60℃でも構いません。お湯は冷めると逆に体温を奪うので、1〜2時間ごとに入れ替えます。

見た目に元気そうでも、保護したらできるだけ早く一度は診てもらいましょう。体温、脱水の程度、ノミや寄生虫の有無は、家庭では判断できません。

夜中に見つけた場合も、優先するのは保温です。ただし新生子猫は数時間の絶食でも低血糖を起こすことがあるため、「朝まで何もせず待つ」は安全な選択ではありません。夜間対応の動物病院を探して電話し、指示を受けてください。

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最初にそろえるもの

必要なものは多くありません。

  • 子猫用ミルク(粉タイプが量を調整しやすい)……牛乳やヤギミルクは代用になりません(理由は後述します)。深夜は扱う店が限られるので、24時間営業のドラッグストアやディスカウントストアで在庫を確認してみてください
  • 子猫用の哺乳瓶
  • 1g単位で測れるはかり(キッチンスケールで十分です。数百円〜数千円で手に入ります)
  • 温度計(子猫を入れた箱の中に置くもの)
  • コットンかガーゼ
  • ペットヒーター、または湯たんぽ代わりのペットボトル

子猫用の哺乳瓶・スケール・タオルなど授乳に使う道具

牛乳やヤギミルクが代用にならない理由

家にある牛乳で代用したくなる場面ですが、これは避けます。牛乳は猫の母乳と比べてたんぱく質・脂肪・エネルギーが大きく不足しており、必要な栄養がまかなえません。薄めた牛乳では、お腹はふくれても体は大きくなりません。

「猫は乳糖を分解できない」ともよく言われますが、これは離乳後の成猫の話で、授乳期の子猫は乳糖を分解する酵素をきちんと持っています。それでも牛乳で下痢をしやすいのは、乳糖のせいというより、組成が母乳と大きく違って消化の負担が大きいためだと考えられています。体の小さな子猫にとって、下痢は数時間で脱水につながります。

ヤギミルクや人間の赤ちゃん用の粉ミルクも、猫の母乳とは組成が異なるので代用にはなりません。ネット上の手作りミルクのレシピも、栄養バランスが保証されないため避けてください。

必要なのは「子猫用ミルク(キャットミルク)」と表示された粉ミルクです。猫は犬と必要な栄養素(タウリンなど)が異なるので、パッケージ裏面の給与量表に猫(子猫)の欄があるかを確認します。

その子の週齢の見分け方

量も回数も週齢で決まります。保護したばかりで分からないときは、見た目でおおよその見当がつきます。

見た目の特徴 おおよその週齢
へその緒が付いている/目が閉じている 生後1週未満
目が開き始める。耳はまだ寝ている 生後1〜2週
耳が立ち始める。よろよろ歩く。前歯(小さな切歯)が生え始める 生後2〜3週
しっかり歩いて遊び始める。とがった犬歯が生えてくる 生後3〜4週

週齢の見当がつかないときは体重も参考になりますが、保護した子猫は栄養状態が悪く、週齢のわりに軽いことがよくあります。上の見た目を優先し、体重は補助として使います。迷ったら、軽いほうではなく若いほうの週齢に合わせる(回数を多めにする)ほうが安全です。

週齢ごとのミルクの量と回数

1日に必要な量は、体重の20%前後が目安です。製品ごとに濃度が違うので、最終的にはパッケージの表示が優先です。

週齢 体重の目安 1日の合計 1回の量 授乳の間隔 1日の回数
生後0〜1週 100〜200g 20〜40ml 2〜5ml(体重100gなら2ml前後、200gなら5ml前後) 2〜3時間おき(夜間も) 8〜12回
生後1〜2週 200〜300g 40〜60ml 5〜8ml 3時間おき(夜間も) 8回前後
生後2〜3週 300〜400g 60〜80ml 8〜13ml 3〜4時間おき(夜間も) 6〜8回
生後3〜4週 400〜500g 80〜100ml 13〜20ml 4〜5時間おき 5〜6回

各列は連動していますが、回数だけは逆に動きます。体重が軽い子ほど1回量は少なく、そのぶん回数は多く(間隔は短く)なります。体重100gなら1日20mlを12回に分けて1回2ml弱、体重200gなら1日40mlを8回に分けて1回5ml、という具合です。

迷ったら、表を読むより計算が確実です。1日量=体重×20%を出し、それを回数で割ります。割った値が体重100gあたり4mlを超えるようなら、1回量ではなく回数を増やして調整してください。

胃は小さいので、1回量の上限を超えればお腹が張って吐き戻します。

生後4週を過ぎたら、この表は使いません。離乳食を食べた量に合わせて回数を減らしますが、4〜5週はまだ1日4〜5回程度を残し、6週ごろに3〜4回まで落ちていく——というくらいのペースです。離乳食は最初ほとんど食べないので、減らした週はとくに体重が止まっていないか毎日確認してください。

生後まもない時期の夜間授乳は体力勝負です。3時間おきが数日続くので、家族がいるなら夜の担当を分けたほうが続きます。スマホのアラームを3時間おきに5本セットしておくと、寝落ちしても起きられます。

ミルクの作り方と温度(38℃が目安)

ミルクは38℃前後、人肌よりわずかに温かいくらいに整えます。手首の内側に一滴落として、熱くも冷たくも感じない温度が目安です。冷たいままだと下痢の原因になり、熱すぎれば口の中をやけどします。温めるときは湯せんを使います。電子レンジは加熱ムラで部分的に高温になります。

粉は表示どおりの割合で溶かします。濃くしても早く育つわけではなく、下痢や脱水につながることがあります。しっかり振ると溶け残りが減り、哺乳瓶の先も詰まりません。

作り置きは避けてください。子猫用ミルクは栄養価が高いぶん雑菌も繁殖しやすく、飲み残しも次の授乳には使えません。哺乳瓶と乳首は毎回分解して洗い、煮沸または哺乳器具用の消毒をしてから乾かします。

飲みが悪いときは、まずミルクの温度と、子猫の体が冷えていないかを確かめます。体温計を直腸に入れるのは新生子猫では危険なので行わず、お腹・足の裏・耳の中を手で触れて、冷たくないかで判断します。ひんやりすると感じたら、授乳より先に保温です。この2つで解決することが少なくありません。

それでも飲まないときは、温度の問題ではありません。数時間で進む低血糖と脱水へ進んでください。

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子猫へのミルクのあげ方(仰向けは厳禁)

ここだけは正確に覚えてください。人間の赤ちゃんのように仰向けで飲ませてはいけません。猫の体のつくりでは、仰向けだとミルクが気管に入りやすく、誤嚥性肺炎を起こすおそれがあります。

  1. 子猫を台の上にうつ伏せ(腹ばい)で置きます。母猫のお乳を飲むときと同じ姿勢です。
  2. 片手で頭をそっと支え、哺乳瓶の先を口の横から差し入れます。上を向かせすぎないよう、首はまっすぐに保ちます。
  3. 吸い始めたら、子猫のペースに任せます。哺乳瓶を握って中身を押し出すことは絶対にしないでください。舌を巻きつけて吸う動きが見えれば順調です。
  4. 飲み終わったら、うつ伏せのまま背中を下から上へ軽くさすり、げっぷを出させます。
  5. 口のまわりをガーゼで拭きます。乾いたミルクが固まると皮膚が荒れます。

乳首の穴は、逆さにして一滴ずつぽたぽたと落ちるくらいが目安です。むせるときは、まずここが大きすぎないかを疑ってください。

哺乳瓶を咥えない子、乳首を押し返してしまう子がいます。ふぁみもんに寄せられる相談でも、生後1週前後でこうした状態になるケースは少なくありません。吸う力そのものが弱い場合も同じで、これは器具の問題ではなく、体調不良のサインであることが多いものです。まず動物病院に連絡してください。吸えない子には、病院でチューブを使った給餌などが検討されます。シリンジを使う場面もありますが、押した分だけ口に入るため、速さを誤ると一度で誤嚥します。自己判断で始めず、必ず事前に扱い方を教わってください。

【授乳中に起きたら】鼻からミルクが出たとき

その時点で授乳を止めます。子猫の頭が体よりわずかに低くなるようにうつ伏せのまま傾け、鼻と口から流れ出たミルクをガーゼで拭き取ります。振ったり逆さにしたりは絶対にしないでください。背中を強く叩く必要もありません。

誤嚥したとき、呼吸が荒い・ゼーゼー音がする・咳き込むといった症状は、すぐに出ることも、半日ほど遅れて現れることもあります。その場で落ち着いたように見えても、動物病院に連絡して指示を受けてください。

繰り返し鼻から出る場合は、乳首の穴の問題だけでなく、口蓋裂など生まれつきの異常が背景にあることもあります。器具を替えても改善しないときは、必ず口の中を診てもらいましょう。

タオルの上でうつ伏せの姿勢のままミルクを飲む子猫

数時間で進む低血糖と脱水

新生子猫は体に蓄えが乏しく、数時間の絶食や低体温で低血糖を起こすことがあります。この時期の急変で最初に疑われるもののひとつです。

危ないのは、冷えと空腹が重なったときです。反応が鈍くなり、震えが出て、痙攣に至ることもあります。そうなる前に動かなければ間に合いません。震えやぐったりを見た時点で電話してください。「ミルクを飲まない状態が数回続いたら」では遅すぎます。続けて飲みたがらないというのも、同じ危険の入口です。

意識があり、飲み込む力がある場合に限り、砂糖を溶かしたぬるま湯を綿棒の先に付け、歯ぐきに塗ります。口に流し込もうとしないでください。体が冷えたままでは吸収されにくいので、必ず保温と同時に行います。そして応急処置は受診の代わりにはなりません。連絡が先です。

脱水は、歯ぐきが乾いてベタつく、おしっこの量が減る・色が濃くなる、皮膚をつまむと戻りが遅い、といったサインで疑います。ただし新生子猫では判定が難しく、見た目に軽くても進んでいることがあります。家庭での経口補水液や皮下輸液の自己判断は行わず、動物病院で補液の要否を判断してもらってください。

授乳のあとの排泄のうながし方

生後3〜4週ごろまでの子猫は、自力で排泄ができません。本来は母猫が舐めて刺激する役目を、人が代わりに行います。

ぬるま湯で湿らせたコットンで、おしりの周りをやさしくなでるように刺激します。強くこすらないこと。多くは十数秒ほどで出て、出きるとおしりの力がふっと抜けます。1分ほど試して出ないときは、いったんやめて次の授乳のときに再度試します。こすり続けると皮膚を傷めます。おしっこは毎回、便は1日1回程度出れば順調で、授乳のたびに行います。

次の場合は自己流で粘らず、電話で構わないので動物病院に相談してください。

  • 刺激しても半日以上おしっこが出ない
  • 丸1日以上便が出ない
  • おしっこの色が濃い、水様の下痢が続く、便に血が混じる
  • おしりが赤くただれている

毎日の体重の記録と、その読み方

体重は毎日同じタイミングで測ります。おすすめは授乳前の朝です。数字は紙に書いていきましょう。目安として、1日およそ10〜15g、1週間で100g前後増えていれば順調です。

短時間での増減は測定誤差に埋もれるので、判断は1日単位の記録で行います。そして体重が前日より減ったら、その時点で動物病院に連絡してください。増えない日が1日あった場合も、翌日まで待たずに相談するほうが安全です。子猫は悪化が早く、「もう1日様子を見る」という判断が通用しにくい時期です。

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キッチンスケールに乗った子猫の体重をノートに記録するところ

ミルクはいつまで? 離乳への進み方

生後4週ごろから、離乳の準備が始まります。子猫用フードをミルクでふやかしてペースト状にし、平皿に出して舐めさせるところからです。最初は前足で踏んだり、顔じゅうに付けたりしますが、それも過程のうちだと思って構いません。

食べる量が増えるにつれてミルクの回数を減らし、生後7〜8週ごろに離乳を終えるのが一般的な流れです。体重の増え方が遅い子は、離乳を急がずミルクを併用しながら進めます。ただし「離乳期だから増えが鈍い」とは限りません。数日にわたって体重が伸びない場合は、月齢にかかわらず動物病院に相談してください(生後4週未満は、1日でも増えなければ相談を)。

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この記事について

公開されている一般的な情報をもとに編集部でまとめたもので、獣医師の監修は受けていません。診察・診断に代わるものではありません。子猫の状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

最終更新:2026年8月21日(内容は更新時点の情報です)

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