朝に出したパウチが、夕方になっても乾いたまま残っている。老猫がまったく食べないと気づいたら、その日のうちに動物病院へ電話し、丸1日(24時間)を待たずに受診するのが目安です。「歳だから食が細くなった」と決める前に、最後に完食した時刻を思い出してください。
次の様子があれば、この先を読む前に動物病院へ電話してから向かってください
- 呼吸が速い、口を開けて息をする、歯ぐきや舌が青紫っぽい
- ぐったりして起き上がれない、呼んでも反応が鈍い、けいれんが止まらない(止まっても、初めてのけいれんならすぐ電話を)
- 歯ぐきが白っぽい、白目や歯ぐきが黄色い
- 何度も吐く、トイレで力むのにおしっこが出ない
- 糖尿病の治療中(インスリン注射や飲み薬)で、食べない・吐く・ふらつく
- 人の薬(とくにアセトアミノフェンを含む解熱鎮痛薬)を飲ませた・口にした心当たりがある
夜間・休日は救急対応の病院へ。当てはまらなければ、3段階の受診の目安で急ぎ具合を確かめてください。
- まず結論:老猫がまったく食べないなら丸1日を待たずに受診、量が減っただけでも3日は待たない
- 高齢猫は持病・脂肪肝・脱水が重なりやすく、若い猫より待てない
- 老猫が食べない原因で多いのは、口の痛み・腎臓病・甲状腺の病気・においの衰え
- 「おやつは食べる」老猫は、口の痛みとにおいの感じ方の変化をまず疑う
- 水を飲む・寝てばかりでも、食べていなければ様子見の理由にならない
- 家での工夫は、温める・浅い器を少し高く・少量を回数多くの3つを1つずつ試す
- 病院では検査と並行して、点滴・吐き気止め・食欲を出す薬・チューブ栄養を使い分ける
- 食欲が戻るまでは体重を週1回量り、食べた量と並べて記録する
- よくある質問
- 今夜のうちに、最後に完食した時刻を書き留めておく
まず結論:老猫がまったく食べないなら丸1日を待たずに受診、量が減っただけでも3日は待たない
老猫がまったく食べないと気づいたら、その日のうちに動物病院へ電話し、丸1日(24時間)になる前に受診します。食べる量が減っただけなら、翌日までに電話します。
上の囲みのサインがあるときは、時間に関係なくすぐに受診です。健康な成猫なら受診の目安は絶食24時間ですが、持病を抱えやすい老猫はそれより早く動きます。米国コーネル大学猫健康センターは、成猫でも食べない状態が24時間続くだけで、健康に深刻な影響が出ることがあると説明しています。
| 急ぎ具合 | 当てはまる様子 | どう動くか |
|---|---|---|
| すぐ受診(夜間・休日も) | 冒頭の囲みのサイン(苦しそうな呼吸、ぐったり、歯ぐきが白い・黄色い、何度も吐く、おしっこが出ない、人の薬を口にした)/糖尿病の治療中で、食べない・吐く | 電話してから、かかりつけか救急対応の病院へ向かう |
| 当日中に受診 | まったく食べない(丸1日を待たない)/水も飲まない/腎臓病・甲状腺の病気などの治療中で、食べない、または薬を飲ませられない/太り気味の猫が食べない/食べる量が減り、いつもと違う場所でじっと丸まっている | その日のうちに電話し、丸1日になる前に受診する。時間外なら、まず電話で相談する |
| 翌日までに電話 | いつもより量が減った/ドライフードだけ残す/おやつしか食べない/片側だけで噛む、口からこぼす | かかりつけに電話して受診の日を決める。減ったままの状態を3日続けない |
「丸1日」と「3日」は別の物差しです。丸1日は、まったく食べないときに「ここまでは待たない」線、3日は、食べる量が減った状態が続くときに「遅くともここで急いで連絡する」線です。英国の猫の福祉団体International Cat Care(iCatCare)は、食べる量が減った状態が3日以上続いたら急いで病院に連絡するよう勧めています。量が少しでも変だと感じた時点で電話してかまいません。
持病の薬を使っている猫は、食べないときに薬をどうするかを自己判断で変えず、かかりつけに聞いてください。とくに糖尿病でインスリンを打っている猫では、インスリンが多すぎると命に関わる低血糖を起こすため(iCatCare)、食べていない日は注射の前に電話して、量をどうするか指示を受けてください。
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高齢猫は持病・脂肪肝・脱水が重なりやすく、若い猫より待てない
老猫が食べない状態を待てないのは、腎臓病などの持病を抱えていることが多いうえに、食べない期間が脂肪肝や脱水を招きやすいからです。
肝リピドーシス(脂肪肝)とは、食べない期間に全身の脂肪が肝臓へ運ばれて肝臓の細胞にたまり、肝臓の働きが落ちていく病気です。猫の肝臓病でいちばん多い原因で、数日から数週間の食欲不振に伴って起こり、太った猫ほど起こりやすくなります(MSD獣医マニュアル)。糖尿病や、食欲を落とす消化器の病気に伴って起こることもあります。
何時間たてば脂肪肝になる、という線は引けません。猫は短い期間食べないだけでも、肝臓に問題が起こることがあります(iCatCare)。早く見つけてすぐ治療を始め、もとになっている病気があればそれも治療できれば、回復の見込みが高い病気です(MSD獣医マニュアル)。
脱水も、高齢猫でとくに気をつけたい点です。食べ物から1日に必要な水の多くをとっている猫も多く、食べない日は、食べ物からとるはずだった水分も入ってきません。とくにウェットフード中心の猫で影響が大きくなります。慢性腎臓病は15歳を超えた猫の20〜50%にあるという推計があり、腎臓で水を保てないため、もともと脱水になりやすい状態です(iCatCare)。
この記事の「老猫」は、米国猫臨床医協会(AAFP)の高齢猫の指針が示す定義と同じく、10歳を超えた猫を指します(年齢ごとの変化は老猫は何歳から?に)。10歳未満でも持病のある猫は、同じ目安で早めに動いてください。12歳以上の猫では、1日に必要なエネルギーがむしろ増えます(AAFP)。食が細るのを「年齢なりの変化」と見なすと、痩せる速さを見誤ります。
病院で「何日食べていないか」を聞かれる理由
国際猫医学会(ISFM)の2022年の指針は、猫が食べなくなってから遅くとも3日以内に、チューブなどで栄養を入れる処置を始めるよう獣医師に勧めています。そのとき、家で食べていなかった日数も数に入れるよう書かれています。これは病院が処置を始める期限で、家で待ってよい日数ではありません。家で2日待てば、病院に着いた時点で期限の残りは1日です。
老猫が食べない原因で多いのは、口の痛み・腎臓病・甲状腺の病気・においの衰え
老猫の食欲が落ちる原因として多いのは、歯周病などの口の痛み、慢性腎臓病による吐き気、甲状腺機能亢進症、年齢によるにおいの感じ方の衰えです。
| 原因 | 家で気づきやすいこと | 出典 |
|---|---|---|
| 歯周病・歯の吸収病変・口内炎 | 口臭、よだれ、前足で口をこする、片側で噛む、口からこぼす。重い歯の病気でもサインがほとんど出ないことがある | iCatCare・AAFP |
| 慢性腎臓病 | 水をよく飲む、おしっこが多い、痩せる、吐く、口臭、毛づやが落ちる | iCatCare |
| 甲状腺機能亢進症 | よく食べるのに痩せる、落ち着きがない、水をよく飲む。一部の猫は食欲が落ちる。治療薬の副作用で食欲が落ちることもある | iCatCare・AAFP |
| においの衰え | 好きだったフードに寄ってこない、においの強いものだけ口にする | AAFP |
| 関節の痛み(関節炎など) | 高い所に上がらない、段差を避ける、寝ている時間が増える。食欲の低下も痛みのサインの一つ | AAFP |
| 認知機能の変化・腸の病気・膵炎・がん | よく鳴く、生活のリズムや人との関わり方が変わる(認知機能)。食欲が落ちて痩せる以外に、はっきりした症状がないこともある(腸・膵臓・がん) | AAFP |
口の病気は年齢とともに増えます。歯周病や歯の吸収病変は年をとるほど起こりやすく、しかも口の痛みは家では気づきにくいものです(AAFP)。5歳以上の猫の70%超に、少なくとも1本の歯の吸収病変があるという推計もあります(iCatCare)。
甲状腺機能亢進症は10歳以上の猫の10%にみられ(AAFP)、7歳未満ではまれです(iCatCare)。典型的なのは「よく食べるのに痩せる」姿ですが、だるそうにして食欲が落ちる猫もいます。治療薬を飲み始めた最初の数週間に食欲が落ちることもあるので、服薬中に食べなくなったら、薬を続けるかどうかを電話で確かめてください。
慢性腎臓病では、進むと吐き気や嘔吐が増えて食欲が落ち、血液中のカリウムが減ることも食欲不振の一因になります(iCatCare)。甲状腺機能亢進症と慢性腎臓病は、どちらも高齢猫に多いため一緒にみられることがよくあります。どの病気かは家では見分けられず、血液とおしっこの検査で調べます。夜によく鳴くようになった老猫が食べる量も減っているなら、老猫の夜鳴きの原因と受診の目安もあわせて確かめてください。
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「おやつは食べる」老猫は、口の痛みとにおいの感じ方の変化をまず疑う
ご飯を残しておやつだけ食べる老猫は、食欲がある証拠とは考えず、翌日までにかかりつけへ電話します。口の痛みやにおいの衰えで、噛まずに飲み込めるにおいの強いものしか食べられなくなっていることがあるためです。
ペースト状のおやつは、舌でなめ取るだけで飲み込めます。歯ぐきや歯の根が痛む猫でも口にできるうえ、においが強いので、においを感じにくくなった猫にも届きます。カリカリは残すのにおやつには飛んでくる、という組み合わせは、口の痛みとにおいの衰えのどちらにも当てはまります。
食べる量が減ったときだけでなく、好みがうるさくなった、食べ方が変わった(フードをこぼす、片側で噛む)ときも、病院に連絡する理由になります(iCatCare)。器の前まで来てにおいを嗅ぎ、食べずに立ち去るのも、食欲が落ちたサインです。
おやつだけで日にちをしのぐのは勧められません。においの強い食べ物は食べ始めるきっかけには役立ちますが、それだけでは必要な栄養がそろわないためです(iCatCare)。受診の目安を考えるときは、おやつではなく主食をどれだけ食べたかで数えてください。
病院に伝えるときは「おやつは食べる」と一言でまとめず、「ウェットのパウチは半分、カリカリは数粒、ペーストのおやつは2本」のように、食べた物と量を分けて書いておくと、口の痛みなのか吐き気なのかを考える手がかりになります。
水を飲む・寝てばかりでも、食べていなければ様子見の理由にならない
老猫が水を飲んでいても寝てばかりでも、ご飯を食べていなければ食べない時間として数え、受診の目安はそのまま当てはめます。
水を飲んでいても、水からエネルギーはとれません。水を飲む量がいつもより増えているなら、それ自体が慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症で見られる変化です(iCatCare)。逆に、食べも飲みもしないなら脱水が進むので、当日中の受診に切り替えます。
脱水のサインには、つまんだ皮膚がすぐに戻らない、歯ぐきが乾いている、目がくぼむ、があります(MSD獣医マニュアル)。ただし高齢猫は皮下の脂肪や皮膚の弾力が落ちているため、皮膚をつまむより、歯ぐきの湿り気のほうが手がかりになります(AAFP)。唇をそっとめくり、指先で歯ぐきに触れて、べたつくような乾きがないかを見てください。
老猫はもともと寝ている時間が長いので、「寝てばかり」だけでは判断がつきません。目安になるのは組み合わせです。AAFPの指針は、家で気づける痛みのサインとして、食欲や食べる量の低下、寝ている時間の増加、休む場所の変化、高い所に上がらなくなることを並べています。食べる量が減った日に、いつもと違う場所でじっと丸まっているなら、痛みや体調不良を疑って当日中に受診します。呼んでも反応が鈍い、起き上がれないときは、冒頭の囲みのとおりすぐ受診です。
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家での工夫は、温める・浅い器を少し高く・少量を回数多くの3つを1つずつ試す
家で試す価値があるのは、フードをほんのり温める、浅く広い器を台に載せる、1日分を何回かに分けて出す、の3つです。
ここからの工夫は、受診の目安に当てはまらないとき、または病院で原因を調べたうえで「家で食べる工夫を」と言われたときのものです。工夫を試しても食べないときは、もう一度病院に連絡してください(iCatCare)。

老猫に試したい工夫
- 温めてにおいを立てる。ウェットフードは耐熱の器に移し、指で触ってほんのり温かい程度に。電子レンジで温めたら全体を混ぜ、熱い部分が残っていないか指で確かめます。温めたものや、においの強いフードは高齢猫の食欲を引き出しやすいとされています。ただし、よだれ、舌なめずり、フードを見て顔をそむける、えずくといった吐き気のサインがあるときは温めず、いつものフードを常温か少し冷やして少量だけ出します
- 浅く広い器を、少し高い台に置く。ヒゲが当たらない縁の低い器が高齢猫に向き、関節が痛む猫には器を高くすると楽になることがあります。プラスチックや金属より陶器を好む猫もいます
- 1日分を少量ずつ、回数を分ける。10歳を超えた猫には、消化のよいフードを少量ずつ回数を増やして出す方法が勧められています。食べ残しは下げ、次の回は出し直します
- 静かな場所で、トイレや水の器から離して、ほかの猫が近くにいない状態で出す
- そばで撫でながら出す回と、器を置いて部屋を出る回を試し、食べたほうを続けます。家が静かになる夜に食べる猫もいます
- 加熱した鶏肉や魚など好物で食べ始めを促すのは、病院の了承を得てから、短い期間だけにします。味付けはせず、玉ねぎやねぎを使った料理や煮汁は使いません
工夫は一度に1つずつ変え、次の食事で反応を見ます。温めながら器も替えると、食べたときにどちらが効いたのか、食べなかったときに何を戻せばよいのかが分からなくなります。
家でしないでほしいこと
- 人の薬を飲ませない。アセトアミノフェン(パラセタモール)は猫には非常に毒性が強く、1錠の一部でも重い中毒や死につながることがあります(iCatCare)。猫は多くの薬を安全な形に分解できないため、どんな薬も与える前に獣医師に相談します
- 人用の栄養剤・ベビーフード・スープを与えない。ベビーフードやグレービーには、猫に有害な玉ねぎが入っていることがあります(iCatCare)。人用の栄養ドリンクやサプリメントも、成分を獣医師に確かめずに与えないでください
- シリンジや指で口に押し込まない。無理に食べさせるとストレスになり、食べ物を吸い込んで重い合併症を起こすおそれがあるうえ、食べること自体を嫌がるようになることがあります
- 何種類ものフードを一度に並べない。体調が悪いうちに療法食へ切り替えない。そのフードを嫌うようになることがあります
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病院では検査と並行して、点滴・吐き気止め・食欲を出す薬・チューブ栄養を使い分ける
動物病院では口の中や血液・おしっこを調べて原因を探しながら、脱水には点滴、吐き気には吐き気止めを使い、必要に応じて食欲を出す薬やチューブでの栄養を検討します。
食べない猫の診察では、体重や体温に加えて歯と歯ぐきもよく診ます。歯の病気の痛みが食べない原因になっていることが多いためです(コーネル大学)。腎臓病が疑われれば血液とおしっこの検査に加えて血圧も測ります(iCatCare)。
| 処置 | 何のためか | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 点滴(静脈・皮下) | 脱水と、血液中の塩分(電解質)の乱れを整える | 脱水が強ければ入院して点滴することがある。腎臓病の猫では、皮下点滴を飼い主が家で行うよう指導されることもある |
| 吐き気止め | 吐き気で食べられない状態を和らげる | 吐かずに、食べないことだけで吐き気を示す猫もいる(ISFM) |
| 食欲を出す薬 | 食欲そのものを引き出す | ミルタザピンとカプロモレリンは、猫用として承認している国もある薬。ミルタザピンは腎臓や肝臓の状態で量や間隔を変える |
| チューブでの栄養 | 口から食べられない間の栄養と薬を、猫に負担をかけずに入れる | 家で使いながら治療を続けられることがある |
点滴は体の水分を補う処置で、食事の代わりにはなりません。脂肪肝の治療でも、水分と電解質を整えてから栄養を入れ始めます(MSD獣医マニュアル)。食べない状態が続けば、点滴と並んで栄養をどう入れるかが検討されます。
食欲を出す薬のうちミルタザピンは、量が多いと興奮する、鳴く、震えるといった副作用が出やすく、腎臓病や肝臓病の猫では薬が体に残りやすくなります(ISFM)。ミルタザピンは、人では抗うつ薬として処方される成分です(MSD獣医マニュアル)。人用の錠剤は、いちばん小さいものでも猫に合う量まで正確に割れないので、家族の薬が手元にあっても猫には使わないでください。脂肪肝では、食欲を出す薬が役立つのは早い段階に限られることが多く、多くはチューブで栄養を入れます(MSD獣医マニュアル)。
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食欲が戻るまでは体重を週1回量り、食べた量と並べて記録する
老猫の食欲が戻るまでは、週1回を目安に同じはかりで体重を量り、食べた量と並べて記録すると、回復しているかどうかを病院と共有しやすくなります。
量る頻度は獣医師の指示に従い、指示がなければ週1回が目安です(iCatCare)。飼い主が猫を抱いて量り、自分の体重を引く方法では小さな変化を見逃しやすいため、赤ちゃん用のデジタル体重計のほうが正確です。小柄な猫は、減った量が数字では小さくても、体重に対する割合では大きいことがあります(AAFP)。

病院に持っていくメモ
- 最後に完食した日時と、その後に口にしたもの(主食とおやつを分けて)
- 水を飲む量と、おしっこ・便の回数や量の変化
- 吐いた回数と、吐いたものの様子
- 飲んでいる薬と、食べなくなってから飲ませられたかどうか
- 体重の推移(量った日付と数字)
月に1回でも体重を量る習慣があると、食欲が落ちる前から痩せ始めていたのかどうかが分かります。高齢猫の健康診断の頻度は次の記事にまとめています。
あわせて読みたいシニア猫の健康診断を受ける頻度
よくある質問
食べない・飲まない猫は、点滴をすれば回復する?
点滴は脱水を補う処置で、それだけで食べない原因がなくなるわけではありません。食べも飲みもしない老猫は脱水が進むので、当日中に受診してください。病院では原因を調べる検査と並行して、必要なら吐き気止めや栄養の補給を組み合わせます。
猫が食べないとき、栄養剤を与えてもいい?
人用の栄養剤・サプリメント・ベビーフードは与えないでください。栄養剤で様子を見ている間も原因の病気は進むので、まったく食べないなら丸1日を待たずに受診します。病院では猫用の高カロリーの流動食から試すことがあり、家で使うときも種類と与え方は獣医師の指示に従ってください(MSD獣医マニュアル)。
老猫がご飯を食べなくなったら、余命はどのくらい?
余命は家では判断できず、原因によって大きく変わります。まったく食べないなら丸1日を待たずに受診し、原因を調べてもらってください。歯の痛みのように治療で食べられるようになる原因もあり、慢性腎臓病でも治療と定期的な検査で、数か月から数年よい暮らしを送れる猫がいます(iCatCare)。
今夜のうちに、最後に完食した時刻を書き留めておく
食べないと気づいた夜にしておくことは、食べた物と時刻の1行メモと、夜間に診てくれる病院の電話番号の登録の2つです。
「昨日の夜は少し食べたはず」という記憶は、半日もすればあいまいになります。冷蔵庫の扉やスマートフォンのメモに「10/5 7:00 パウチ半分」と1行書いておけば、電話口で迷わずに済みます。まったく食べていないなら、そのメモを手に、その日のうちに電話してください。
この記事について
ふぁみもん編集部が、公開されている資料をもとに執筆・編集しました。文章の下書きと公開前の点検に生成AIを補助として使い、採否と最終判断は編集部が行っています。獣医師など資格を持つ専門家の監修は受けておらず、生成AIによる点検は専門家の確認には当たりません。一般的な情報であり、個々の猫の診断・治療はかかりつけの動物病院の判断を優先してください。点検の手順と訂正の方針は編集方針に、誤りのご指摘はお問い合わせへお願いします。本文の写真は生成AIで作ったイメージです。
参考資料
- Anorexia(コーネル大学猫健康センター・掲載日の記載なし・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 食べない状態が24時間続くだけで成猫の健康に深刻な影響が出うること、食欲不振の原因に腎臓病・脂肪肝・甲状腺機能亢進症などがあること、診察で歯と歯ぐきを診ること(歯の痛みが原因として多い)、無理に口へ入れると食べ物を嫌うようになること、食欲を出す薬としてミルタザピンが使われること。
- Inappetence in cats(International Cat Care・2025年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 短い期間食べないだけでも肝臓に問題が起こりうること、歯・腎臓・肝臓の病気などが食欲に影響すること、食べる量が減った状態が3日以上続けば急いで連絡すること、シリンジでの強制給餌をしないこと、チューブを使って家で治療を続けられる場合があること。
- How to encourage your cat to eat(International Cat Care・2025年11月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 好みがうるさくなった・食べ方が変わった(こぼす・片側で噛む)ときも連絡すること、においを嗅いで立ち去る様子、食べ物から水分の多くをとっていること、浅く広い陶器の器、温めること(吐き気があれば温めず常温か少し冷やして少量)、においの強い食べ物は病院の了承のもと短期間のみ、ベビーフードやグレービーに玉ねぎが入っていることがあること、静かな場所・トイレや水から離す・ほかの猫から離す、撫でる・手から・夜に食べる猫がいること、体調が悪いうちに療法食へ替えないこと、無理に食べさせないこと、体重を週1回ほど赤ちゃん用の体重計で量ること。
- Chronic kidney disease (CKD) in cats(International Cat Care・2026年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 15歳以上の猫の20〜50%に慢性腎臓病があるという見積もり、症状(痩せる・食欲不振・水をよく飲む・おしっこが多い・吐く・口臭・毛づや)、血液・おしっこの検査と血圧測定、腎臓病の猫は脱水になりやすいこと、脱水時の入院での点滴と家での皮下点滴、低カリウムや吐き気が食欲不振につながること、治療と定期検査で数か月から数年よい暮らしを送れる猫がいること。
- Hyperthyroidism in cats(International Cat Care・2025年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 7歳未満ではまれなこと、典型的な症状(よく食べるのに痩せる・水をよく飲む・落ち着きがない)と一部の猫で食欲が落ちること、抗甲状腺薬の副作用で最初の数週間に食欲が落ちることがあること、慢性腎臓病と一緒にみられることが多いこと。
- Dental Disease in Cats(International Cat Care・2025年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 歯の病気は年齢とともに増えること、5歳以上の猫の70%超に歯の吸収病変が少なくとも1本あるという見積もり、歯の病気のサイン(口臭・よだれ・前足で口をこする・食べにくい・食欲低下)と、重くてもサインが出ないことがあること。
- Liver and gall bladder disease in cats(International Cat Care・2025年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 猫は多くの薬や毒物を分解する仕組みを欠くため、どんな薬も与える前に獣医師に相談すること、治療に点滴・食欲を出す薬・吐き気止め・チューブでの栄養が含まれうること。
- Paracetamol poisoning in cats(International Cat Care・2025年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: パラセタモール(アセトアミノフェン)は猫に非常に毒性が強く、1錠の一部でも重い中毒や死につながること、口にしたらすぐ病院へ連絡すること。
- Diabetes mellitus in cats(International Cat Care・2026年1月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 糖尿病は中高齢の猫に多いこと、糖尿病性ケトアシドーシスのサイン(嘔吐・下痢・食欲の低下や廃絶・虚脱)があればすぐ連絡し急いで治療が要ること、インスリンが多すぎると命に関わる低血糖を起こすこととそのサイン(脱力・ふらつき)。
- 2021 AAFP Feline Senior Care Guidelines(米国猫臨床医協会 AAFP・Journal of Feline Medicine and Surgery・2021年・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 高齢猫(senior)を10歳を超えた猫とする定義、12歳以上で1日に必要なエネルギーが増えること、10歳超の猫に少量頻回の食事、ヒゲが当たらない低く広い器、関節の病気の猫には器を高くすること、温めたにおいの強い食べ物、年齢とともににおいの感覚が衰えること、家で気づける痛みのサイン(食欲の低下・寝る時間の増加・休む場所の変化)、歯周病と歯の吸収病変が年齢と関係し口の痛みが気づかれにくいこと、10歳以上の猫の10%が甲状腺機能亢進症であること、認知の変化や全身の病気が食べる量に影響すること、高齢猫に多い認知機能の変化(よく鳴く・関わり方や活動のリズムが変わる)、腸の病気・膵炎・がんでは食欲低下や体重減少のほかに症状がはっきりしないことがあること、高齢猫では皮膚のつまみ方より歯ぐきの湿り気が脱水の手がかりになること、体重変化は体格に対する割合で考えること。
- 2022 ISFM Consensus Guidelines on Management of the Inappetent Hospitalised Cat(国際猫医学会 ISFM・Journal of Feline Medicine and Surgery・2022年・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 食べなくなってから遅くとも3日以内に栄養の処置を始め、家で食べていなかった日数も数えること、吐き気のサイン(よだれ・舌なめずり・顔をそむける・えずく)と食べないことが唯一のサインのことがあること、ミルタザピンとカプロモレリンが猫用に承認された国があること、ミルタザピンは量が多いと副作用が出やすく腎臓病・肝臓病の猫で体に残りやすいこと。
- Disorders of the Liver and Gallbladder in Cats(MSD獣医マニュアル 飼い主向け版・2024年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 肝リピドーシスが猫の肝臓病の原因として最も多く、数日から数週間の食欲不振に続いて起こり太った猫に多いこと、糖尿病や消化器の病気に伴うこと、黄疸などの症状、食欲を出す薬は早期なら役立つことがあるが多くはチューブでの栄養が必要なこと、早く見つかれば見通しが良いこと。
- Feline Hepatic Lipidosis(MSD獣医マニュアル 獣医師向け版・2025年6月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: 食欲不振や絶食が太った猫で肝リピドーシスのきっかけになる仕組み、水分と電解質を整えてから栄養を入れ始めること、においの強い食べ物や猫用の高カロリーの流動食から試すこと(病院での治療としての記載)。
- Drugs That Affect Appetite in Monogastric Animals(MSD獣医マニュアル 獣医師向け版・2024年9月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: ミルタザピンは人では中等度から重度のうつ病の治療に使われる抗うつ薬であること、猫では製造されている最小の錠剤でも正確に小さく割れず量を下げにくいこと、重い肝臓病・腎臓病の猫では慎重に使うこと。
- Evaluation and Initial Treatment of Dog and Cat Emergencies(MSD獣医マニュアル 飼い主向け版・2025年12月更新・英語)— 参照日 2026-10-05 / 使った箇所: すぐに治療が要る状態の例(呼吸困難・けいれんが続く・意識がない・尿が出ない・中毒)、口を開けた呼吸と歯ぐきの青紫色、ショックのサインとしての歯ぐきの白さ、脱水のサイン(皮膚が戻らない・歯ぐきの乾き・目のくぼみ)。
編集部の計算・目安(上記の資料が示した値や基準ではありません)
- 受診の目安の3段階(すぐ受診/当日中/翌日までに電話)の区分と、各段階への症状の振り分けは、コーネル大学の「24時間」、iCatCareの「量が減った状態が3日以上で急いで連絡」、MSD獣医マニュアルの救急の例をもとに、一般的な安全上の注意を加えて編集部がまとめたもの。「何度も吐く」「水も飲まない」「持病の治療中」「太り気味」「量が減り、いつもと違う場所で丸まっている」を急ぐ側に入れたのも編集部の判断。「健康な成猫は24時間、老猫はそれより早く(丸1日を待たずに受診)」は、コーネル大学の成猫についての24時間をもとに、持病の多い高齢猫では待たない側に寄せた編集部の目安。糖尿病の治療中の猫を「すぐ受診」に置いたのは、iCatCareが糖尿病性ケトアシドーシスのサインに食欲の低下を挙げ、すぐ連絡するよう書いていることによる。「初めてのけいれんは止まってもすぐ電話」は一般的な安全上の注意
- 「おやつではなく主食をどれだけ食べたかで数える」「工夫は1つずつ変える」「撫でながら出す回と部屋を出る回を試す」「メモの項目」「電子レンジで温めたら混ぜて熱い部分を確かめる」「好物に味付けをせず玉ねぎ・ねぎを使わない」「家で2日待てば期限の残りは1日」は、資料の記載をもとにした編集部の目安や一般的な安全上の注意
- 原因の早見表と処置の表は、上記の複数の資料の記載を編集部が並べ直したもの
最終更新: 2026年10月7日(更新内容: 新規公開)



