猫の腎臓病|初期症状・末期症状・ステージと余命、薬と療法食

水の器を足す回数が、この半年で1日1回から2回に増えた。トイレの砂の塊も前より大きい。どちらも、慢性腎臓病で最初に出やすい変化です。15歳を超えた猫では2〜5割(iCatCare)、多い見積もりでは最大8割(コーネル大学)にこの病気があるとされます。一方で、腎臓の病気には数時間から数日で悪くなる急性のものもあり、こちらは様子を見る時間がありません。

次の様子があれば、この先を読む前に動物病院へ電話してください

  • トイレに何度も入るのに、おしっこが出ない・数滴しか出ない。おしっこが24時間出ていない
  • ユリの花・葉・花粉・花瓶の水、不凍液、人の痛み止めなどを口にしたかもしれない(様子が変わる前でも)
  • ぐったりして起き上がれない、けいれんした
  • 1日に3回以上吐く
  • 急に物にぶつかるようになった、瞳孔が開いたままになっている
  • 口を開けて息をしている

夜間・休日は救急対応の病院へ、電話してから向かいます。口にした物があれば、植物や包装を持っていきます。

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まず結論:おしっこが出ないなら今すぐ、4kgで400mL超なら数日以内

猫の腎臓病は、おしっこが出ない・ユリを口にしたなど急な変化なら夜間でも今すぐ、飲む水が体重1kgあたり100mL(4kgで400mL)を超えるなら数日以内に受診するのが目安です。

慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働きが何か月から何年もかけて少しずつ失われ、元には戻らない病気です。体から老廃物を出す、水分を保つ、血圧や血をつくる働きを助ける、といった腎臓の役目が、時間をかけて弱っていきます。昔は「慢性腎不全」とも呼ばれていました。

腎臓の病気が気になるときの受診の目安(急ぎ方の区分は編集部の目安)
急ぎ方 様子
今すぐ電話して受診(夜間・休日も) 冒頭の囲みの様子(おしっこが出ない、ユリなどを口にしたかもしれない、ぐったりしている、急に物にぶつかる・瞳孔が開いたまま、口を開けて息をする など)
気づいたらすぐ電話し、その日のうちに受診 2回目を吐いた(高齢の猫・持病のある猫は1回でも)/成猫が丸1日まったく食べない(高齢の猫・持病のある猫は半日)/よく飲むうえに食欲が落ちてきた
数日以内に予約する(予約を先に延ばさない) 器から飲む量が体重1kgあたり100mLを超える(4kgで400mL)/前より明らかに増えた/体重が2回続けて下がった
健康診断で見つける 7歳を過ぎ、気になる様子はない猫。健康診断は年1回、10歳を過ぎたら年2回。血液・おしっこの検査と血圧を含める

飲む量の線は「多飲」という言葉の定義で、線の手前でも、ふだんより明らかに増えていれば受診の理由になります。とくにウェットフード中心の猫は、体の中でおしっこが増えていても、器から飲む量が線まで届かないことがあります。

慢性腎臓病は年単位、急性腎障害は数日で進む

猫の腎臓病には、何か月から何年もかけて進む慢性腎臓病と、毒物や尿道の詰まりなどで数時間から数日のうちに起こる急性腎障害(AKI)があり、急ぎ方がまったく違います。

慢性腎臓病と急性腎障害の違い(資料の記載を編集部が並べ直したもの)
見るところ 慢性腎臓病(CKD) 急性腎障害(AKI)
進み方 何か月から何年もかけて少しずつ。症状が出る前の期間が長い 数時間から数日で、腎臓が急に傷つく
多い猫 中高齢の猫(7歳を超えると増える) 年齢に関係なく、きっかけがあれば起こる
主なきっかけ 多くは原因が分からない。遺伝の病気(多発性嚢胞腎)、腫瘍、腎臓の感染などのこともある ユリ、不凍液、人の痛み止め(非ステロイド性消炎鎮痛薬)などの毒物、血のかたまりなどで腎臓に血が流れにくくなること、感染
おしっこ 量が増え、色が薄くなる 減る・出なくなることがある。ユリ中毒の初めのように、むしろ増える時期もある(量だけでは見分けられない)
戻るか 元には戻らない。進み方をゆるめる管理を続ける 早く治療すれば、腎臓の働きが戻ることがある

2つは別々に起こるとは限りません。急性腎障害は、もともと慢性腎臓病のある腎臓に重なって起こることも多くあります(国際腎臓病研究グループ IRIS)。腎臓病と診断されている猫が急に食べない・吐くときは「いつもの腎臓病」と決めずにその日のうちに、ぐったりしているときは今すぐ電話してください。

有病率の数字は、資料によって幅があります。米国コーネル大学猫健康センターは10歳を超える猫の最大40%、15歳を超える猫の最大80%、英国の猫の福祉団体International Cat Care(iCatCare)は15歳を超える猫のおよそ20〜50%としています。少ないほうの見積もりでも、15歳を超えた猫の5匹に1匹ほどにあたる数字です。

ユリ・不凍液・人の痛み止めは少量でも今すぐ受診

ユリの花・葉・花粉・花瓶の水や不凍液、人の痛み止めを猫が口にしたかもしれないときは、吐く・食べないなどの様子が出る前でも、夜間・休日を問わず今すぐ動物病院へ電話します。

ユリは、ごく少量でも猫の腎臓に重い障害を起こします。花や葉だけでなく、花粉や花瓶の水でも起こります(MSD獣医マニュアル)。様子は口にしてから1〜3時間でよだれ・食欲低下・元気のなさ・嘔吐として出はじめ、その後12〜30時間でおしっこが増え、脱水が進みます。口にしてすぐ治療を始め、症状が軽く済めば回復が見込めますが、おしっこが減る・出なくなってから治療を始めると、回復は難しくなります。

猫に毒になるのは、ユリ属(テッポウユリ・オニユリ・カサブランカなど)とヘメロカリス(デイリリー)です。名前に「リリー」と付いていても別の植物のことがあります。ただしスズランのように、腎臓とは別のところに強い毒を持つものもあるので、名前が分からないときも、ユリと同じく今すぐ電話し、植物の名札や写真を持っていきます。花束をもらったら、猫のいる部屋には置かないでください。

口にしたかもしれないときに、家でしないこと

  • 塩水を飲ませる、指を入れるなどして、吐かせようとしない
  • 「元気そうだから」と、様子が変わるまで待たない
  • 人の痛み止めなど、人の薬を猫に飲ませない

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初期症状は「よく飲む・よく出る」で、目立たないことも多い

慢性腎臓病の初期は、目立つ症状がないことがとても多く、最初に気づきやすい変化は、水をよく飲む・おしっこの量が増えるの2つです。

腎臓には余力があり、iCatCareによると、両方の腎臓の働いている組織のおよそ3分の2から4分の3が失われるまで、症状として現れません。おしっこを濃くできなくなると量が増え、そのぶんを補おうとしてよく飲むようになります。病気が進むにつれて、次のような様子が加わります。

慢性腎臓病で見られる様子(並べ方は編集部)
時期 家で気づける様子
早い時期 水をよく飲む、おしっこの塊が大きくなる・数が増える。何も見えないことも多い
進んでくると 体重が減る、食欲が落ちる、元気がない、毛づやが落ちる、口臭、吐く
合併症が出ると 急に物にぶつかる(高血圧による目の障害)、歯ぐきが白っぽい(貧血)、力が入らない(血液のカリウム不足)

よく飲む・よく出る組み合わせは、糖尿病や甲状腺機能亢進症でも起こるので、家では腎臓病かどうかを見分けられません。高血圧は目の見え方を急に変えることがあり、冒頭の囲みのとおり、今すぐ電話する様子のひとつです。

家で記録するのは飲む量・体重・おしっこの塊の3つ

家でできることは、水を飲む量、体重、おしっこの塊の数と大きさを、同じやり方で書き留めておくことで、その記録は受診のときにそのまま獣医師に渡せます。

浅く広い陶器の器から水を飲むサバトラの猫
写真はイメージです
家でつける3つの記録(量り方はサイト内の多飲多尿・体重・トイレの回数の記事と同じ)
記録すること 量り方 気にする変化
水を飲む量 水を入れた器ごとキッチンスケールで量り、24時間後の差を出す。3日分を平均する 体重1kgあたり100mLを超える、または前より明らかに増えた。逆に、増えていた量が急に減った
体重 月に1回、同じ体重計で。抱いて乗り、自分の体重を引く 減量していないのに下がり、数日以内に測り直しても下がっていた
おしっこの塊 毎朝同じ時刻にすくい、1日の数と大きさを書く 塊が大きくなった(数日以内に予約)。小さな塊がいくつも増えた、血が混じるときは、その日のうちに電話。出ない・数滴だけは今すぐ

水を量っているあいだも、器の水は減らさず、足りなくなったら足して、足した量をメモします。飲む量の多い猫は、飲むことで体の水分を保っています。器を小さくすると脱水します。

体重は、グラムより割合で見ます。米国で慢性腎臓病の猫569頭を調べた研究では、診断までの1年で体重が中央値8.9%減っていて、診断の3年前にはすでに減少が見られました(Freemanら、2016年)。4kgの猫に当てはめると1年で約360g、1か月あたり約30gです(編集部の計算)。100g単位の体重計では1か月ごとの差は分かりませんが、半年、1年と並べると下がり続けていることが見えてきます。

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診断は血液とおしっこ、ステージはクレアチニンとSDMAで4段階

慢性腎臓病は、血液検査とおしっこの検査で診断し、そのあとで血液のクレアチニンとSDMAの値をもとに、IRISの基準でステージ1〜4に分けます。

クレアチニンは昔から使われている項目ですが、腎臓の働きがほぼ75%失われるまで、ふつうは上がりません。SDMAは働きがおよそ40%失われた段階で上がり始め、筋肉の量の影響も受けにくいので、より早く見つける手がかりになります(コーネル大学)。おしっこの濃さ(尿比重)が低いことも、早い時期の手がかりのひとつです。

猫の慢性腎臓病のステージ(IRIS Staging of CKD・2026年改訂版の猫の値)
ステージ 血液のクレアチニン(mg/dL) 血液のSDMA(μg/dL) 資料のコメント(要約)
1 1.6未満 18未満 クレアチニンは正常。おしっこを濃くできないなど、ほかの腎臓の異常がある。SDMAが14を超え続けるなら、早い時期の診断に使えることがある
2 1.6〜2.8 18〜25 症状はふつう軽いか、ない
3 2.9〜5.0 26〜38 腎臓以外の症状が出ていることがある。程度は猫によって違う
4 5.0超 38超 全身の症状や、急に悪化する危険が高まる

この表は、検査結果の紙を見て家でステージを決めるためのものではありません。IRISのステージは、慢性腎臓病と診断されたあと、脱水がなく状態が落ち着いているときに、少なくとも2回の検査でつけるものです。SDMAがクレアチニンより1段高いステージの値を続けて示すときは、1つ上のステージとして扱います。SDMAの基準は特定の検査会社の測り方にもとづいているので、病院によって使う基準が違うこともあります。ステージ2の低いほうの値は、多くの検査機関で基準範囲内に入ります。結果の紙に印が付いていなくても、ステージは獣医師に聞いてください。

ステージが決まったら、おしっこのたんぱくの量と血圧で、さらに細かく分けます。血圧が高い猫は、目や脳、心臓にも影響が出ることがあるため、血圧は健康診断でも測ってもらってください。

治療は進行をゆるめる管理で、点滴と薬を組み合わせる

慢性腎臓病は元に戻す治療がない病気で、治療の目的は進み方をゆるやかにして暮らしの質を保つことにあり、療法食・水分の補給・薬を猫の状態に合わせて組み合わせます。

原因がはっきりしている猫では、その原因の治療で進行が止まることもあります(iCatCare)。たとえば腎臓の細菌感染(腎盂腎炎)が見つかれば、その治療をします。

慢性腎臓病の主な治療(どれを使うかは獣医師が決める)
治療 目的 補足
療法食 リン・たんぱく質・塩分を調整し、進行をゆるめる 多くの場合、最初にすすめられる。次の節で
皮下点滴 脱水を防ぐ 進んだ猫などで必要になることがある。量と間隔は猫ごとに獣医師が決める。指導を受ければ家でできるようになる飼い主も多い(コーネル大学の資料の例は1〜3日ごと)。自己判断で量や回数を変えない
リン吸着剤 療法食でも下がらない血液のリンを下げる 食事に混ぜる
カリウムの補給 血液のカリウム不足を補う 不足すると力が入らない、食欲が落ちることがある
吐き気止め・食欲を出す薬 吐き気や食欲不振をやわらげる 吐き気は進んだ時期に多い

血圧が高い猫やおしっこにたんぱくがもれる猫には血圧の飲み薬(テルミサルタンなど)、貧血がある猫には注射や、血圧が抑えられている猫向けの飲み薬(モリデュスタット。米国の資料の記載で、国内で使える薬は獣医師に確認)を使うこともあります。体調を崩して脱水が強いときは、入院して点滴で落ち着かせてから、家での管理に戻ります。

コーネル大学は、表のうち吐き気止めや食欲を出す薬、カリウムの補給などは、効果がすべて十分に確かめられたわけではないとしています。食欲や体重の記録を持っていくと、薬を続けるかやめるかを獣医師と決めやすくなります。人の薬やサプリメントは、腎臓に負担になるものがあるので、自己判断で与えないでください。

治療は年単位で続くため、費用も月ごとにかかります。診療費の目安と備え方は、別の記事にまとめています。

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療法食は獣医師の指示で、7〜14日以上かけて切り替える

腎臓病用の療法食は、慢性腎臓病と診断され獣医師に指示されてから使う食事で、切り替えは7〜14日、できればそれ以上かけて、少しずつ進めます。

コーネル大学によると、腎臓病用の療法食を食べた慢性腎臓病の猫は、一般的なフードの猫より2〜3倍長く生きたという研究があります。ただ、たんぱく質は減らしすぎても体に害があるので(iCatCare)、診断されていない猫に「腎臓のため」と自己判断で療法食を与えることはしません。

窓辺で浅い皿のウェットフードを食べる茶白の猫
写真はイメージです

療法食に切り替えるときのコツ

  • 新しい食事と前の食事を、少量ずつ並べて出し、前の食事を少しずつ減らす
  • 混ぜるなら、ほんの少量から。混ぜると両方食べなくなる猫もいる
  • ほんのり温かい程度(30℃前後)に温めると、においが立って食べやすくなる猫もいる
  • 吐き気がある・食欲が落ちているうちは切り替えを始めない(そのフードを嫌いになることがある)。始める時期は獣医師と決める
  • 水分をとりやすいウェットタイプを、できればドライより優先する
  • どうしても食べないときは、前の食事に戻して、かかりつけに相談する

いちばん避けたいのは、療法食を食べないまま何も食べない時間が続くことです。慢性腎臓病の猫は、短いあいだ食べないだけでも体調を大きく崩すことがあります。療法食の味や形はいくつもあるので、合わなければ別のものを獣医師と探します。おやつやトッピング(ささみ・煮干しなど)を足したいときも、先に獣医師に確認してください。

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余命はステージ2で平均2〜3年、4で6か月未満、末期は吐く・痩せる・脱水が進む

慢性腎臓病と診断された猫の余命は、診断されたときのステージで大きく違い、ステージ2では平均2〜3年、ステージ4では平均6か月未満という報告があります。

これは多くの研究で報告されている平均をコーネル大学が紹介したもので、1匹ずつの余命を決める数字ではありません。治療への反応や、おしっこのたんぱくの量、血液のリンの値、貧血の有無によって、見通しは変わります。治療と定期的な検査を続けて、何か月、あるいは何年も、よい暮らしを続ける猫もいます。

末期(ステージ4)まで進むと、腎臓の働きが大きく落ちて老廃物が体にたまり、吐く、元気がない、食べない、痩せる、脱水、口の中のただれ、下痢などが見られます(MSD獣医マニュアル)。この時期は、どの治療を続けるか、猫が楽に過ごせることを何より優先するかを、かかりつけと相談しながら決めていきます。症状を抑えられなくなり、暮らしの質が保てなくなったときには、安楽死が選択肢として挙がることもあります。決めるのは飼い主と獣医師で、早めに話しておくと、いざというときに迷う時間が短くなります。

診断後は食べない・吐く・飲む量の急な変化で電話する

慢性腎臓病と診断された猫は、食べない時間と吐く回数を目安に、症状が悪くなった・新しい症状が出たときは次の再診を待たずにかかりつけへ電話します。

腎臓病と診断された猫の、連絡の目安(編集部の目安)
急ぎ方 様子
今すぐ(夜間・休日も電話してから向かう) 水を飲んでも吐く/歯ぐきが乾いてねばつく・目がくぼむなど脱水のサイン/そのほか冒頭の囲みの様子(おしっこが出ない、ぐったり、1日3回以上吐く など)
気づいたらすぐ電話し、その日のうちに受診する(夜間は救急に電話で相談) まったく食べない(半日続く前に電話。丸1日は待たない)/食べる量がはっきり減った/食べも飲みもしない/いつもと違う吐き方をした、または吐いたあと食べない(1回でも)/薬を飲ませられない/増えていた飲む量が急に減った
予定の再診を待たず、早めに電話して受診日を決める 体重が2回続けて下がった/飲む量がさらに増えた

飲む量が急に減ったのは、「よくなった」ではなく、飲んで補うことができなくなったサインのことがあります。腎臓病の猫は、もともと腎臓で水を保ちにくく、脱水になりやすい状態です(iCatCare)。食べない日は食べ物からとるはずの水分も入らないので、食べないことと脱水が重なって進みます。

電話で伝えること

  • 最後に食べ終えた時刻と、最近の食べる量
  • 吐いた回数と時刻、おしっこの塊の数
  • 記録してある飲む量と体重
  • 使っている療法食、薬、皮下点滴の量と間隔

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よくある質問

腎臓病の猫には水をたくさん飲ませたほうがいい?

飲みたいだけ飲める状態にしておくのが基本で、器を小さくしたり水を減らしたりすると脱水につながります。無理に飲ませるより、ウェットタイプの食事で水分を足すほうが続けやすい方法です。増えていた飲む量が急に減ったときは、気づいたらすぐ電話して、その日のうちに受診してください。

「腎臓ケア」と書かれた市販のフードは療法食と同じ?

同じではありません。療法食は、獣医師の診断と指示のもとで使う食事で、パッケージに「療法食」と表示されています。「腎臓の健康維持」などと書かれた一般のフードは、その代わりにはなりません。診断を受けている猫は、どれを食べさせるかをかかりつけと決めてください。

猫の腎臓病は何歳から気をつける?

慢性腎臓病はどの年齢でも起こりますが、7歳を過ぎた中高齢の猫で多くなり、年齢が上がるほど増えます。確かな予防法は分かっておらず、健康診断を成猫で年1回、10歳を過ぎたら年2回受け、血液・おしっこの検査と血圧で早く見つけるのが現実的な備えです。1歳未満の若い猫で急に飲む量が増えたときは、生まれつきの腎臓の問題のこともあるので、量る前に受診してください。

今夜、水の器の重さを量っておく

今夜、水を入れた器をキッチンスケールに乗せて重さをメモし、明日の同じ時刻にもう一度量ってください。その差が、最初の1日分の飲む量です。

3日続けて平均し、体重1kgあたり100mLの線を超えていたら、または線の手前でも前より明らかに増えていたら、その紙を持って数日以内に受診します。

この記事について

ふぁみもん編集部が、公開されている資料をもとに執筆・編集しました。文章の下書きと公開前の点検に生成AIを補助として使い、採否と最終判断は編集部が行っています。獣医師など資格を持つ専門家の監修は受けておらず、生成AIによる点検は専門家の確認には当たりません。一般的な情報であり、個々の猫の診断・治療はかかりつけの動物病院の判断を優先してください。点検の手順と訂正の方針は編集方針に、誤りのご指摘はお問い合わせへお願いします。本文の写真は生成AIで作ったイメージです。

参考資料

  • IRIS Staging of CKD (Modified 2026)(International Renal Interest Society・2026年・PDF・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: ステージは慢性腎臓病の診断後に、脱水がなく状態の落ち着いた猫で、空腹時の血液クレアチニンまたはSDMA(できれば両方)を少なくとも2回測って決めること、そのあとおしっこのたんぱくと血圧で細分すること、猫のステージ1〜4の値(クレアチニン 1.6未満/1.6〜2.8/2.9〜5.0/5.0超 mg/dL、SDMA 18未満/18〜25/26〜38/38超 μg/dL)と各ステージのコメント(ステージ1でSDMAが14 μg/dLを超え続けるなら早い時期の診断に使えること、ステージ2は症状がふつう軽いかないこと、ステージ4は全身の症状と急な悪化の危険が増すこと)、ステージ2の低いほうの値は多くの検査機関でクレアチニンの基準範囲内に入ること、クレアチニンとSDMAが食い違うときの扱い、SDMAは筋肉量の減少の影響を受けにくいこと、SDMAの基準がIDEXX社の測定法にもとづくこと。
  • Grading of acute kidney injury (2026)(International Renal Interest Society・2026年・PDF・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 急性の腎臓病は腎臓の組織が突然傷つく病気であること、急性腎障害がもともと慢性腎臓病のある腎臓に重なって起こることも多いこと、軽い段階で治療された急性腎障害は腎臓の働きが戻ることがあること。
  • Chronic Kidney Disease(コーネル大学猫健康センター・2025年1月更新・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 10歳を超える猫の最大40%、15歳を超える猫の最大80%にあること、時間とともに腎臓の働きが失われ続ける病気であること、既知の危険因子は年齢だけであること、初期は目立つ症状がないことが多いこと、高血圧で見え方が急に変わること・貧血で歯ぐきが白っぽくなること、クレアチニンは働きがほぼ75%失われるまで上がらずSDMAは約40%で上がること、おしっこの濃さの低下が早い手がかりになること、元に戻す治療はなく進行をゆるめ暮らしの質を保つのが目的であること、療法食で2〜3倍長く生きたという研究があること、切り替えは少しずつ行い短い期間食べないだけでも体調を崩しうること、皮下点滴は一部の猫(とくに進んだ猫)で必要になり、獣医師の指導を受ければ家で1〜3日ごとに行えるようになる飼い主が多いこと、治療の種類(テルミサルタン、モリデュスタット、リン吸着剤、カリウムの補給、食欲を出す薬、吐き気止め)とその一部は効果が十分に確かめられていないこと、ステージ2で診断された猫の平均生存期間は多くの研究で2〜3年と報告されていること、ステージ4では平均6か月未満でありそれは平均であること、見通しがおしっこのたんぱく・リン・赤血球の数で変わること。
  • Chronic kidney disease (CKD) in cats(International Cat Care・2024年6月掲載・2026年10月更新・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 元に戻らない病気であること、7歳を超える中高齢の猫に多く15歳を超える猫の約20〜50%にあるという見積もり、症状が出るまでに両方の腎臓の働く組織の約3分の2から4分の3が失われること、主な症状(体重減少・食欲不振・元気がない・よく飲む・おしっこが多い・毛づや・高血圧・嘔吐・口臭)、多くは原因不明で、多発性嚢胞腎・腫瘍・腎盂腎炎・毒物や薬などが原因になること、原因が分かれば治療で進行が止まる猫もいること、症状の悪化や新しい症状があれば連絡すること、年1〜2回の定期検診とおしっこ・血圧・体重の確認、腎臓で水を保ちにくく脱水になりやすいこと、ウェットタイプを優先すること、たんぱく質の減らしすぎは害になること、療法食をすすめること、切り替えは7〜14日以上かけ、並べて出す・少量を混ぜる・30℃前後に温める、どうしても食べなければ前の食事を出して相談すること、血液のカリウム不足とその影響、吐き気は進んだ時期に多いこと、入院での点滴と皮下点滴、リン吸着剤、何か月から何年もよい暮らしを続けられる猫がいること、症状を抑えられず暮らしの質が保てなくなったときに安楽死を考えることがあること。
  • Noninfectious Diseases of the Urinary System of Cats(MSD獣医マニュアル 飼い主向け版・2026年7月更新・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 慢性腎臓病は症状が出る前に何か月も何年も続くことが多いこと、最も早い症状はふつうよく飲むことと多いおしっこであること、最後の段階で見られる様子(嘔吐・元気がない・食欲不振・体重減少・脱水・口の中のただれ・下痢)、急性の腎障害は腎臓への突然の大きな障害で、不凍液や有毒な植物、非ステロイド性消炎鎮痛薬などの薬、血のかたまりによる血流の妨げ、感染で起こること、ユリはどの部分でも(花・葉・花粉・水)少量で猫に重い腎障害を起こすこと、急性の腎障害の様子(食欲不振・元気がない・脱水・口のただれ・嘔吐・下痢・おしっこが少ない)、くり返す・重い急性の腎障害は慢性腎臓病につながりうること。
  • Houseplants and Ornamentals Toxic to Animals(MSD獣医マニュアル 専門家版・2024年9月更新・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 毒になるのはユリ属とヘメロカリス属の「本当のユリ」で、名前にリリーと付く別の植物と区別が要ること、症状が口にしてから1〜3時間で出はじめ、続く12〜30時間で多尿・脱水が加わること、早く治療を始め軽く済めば見通しがよく、おしっこが減る・出なくなってから治療を始めると見通しが悪くなること、スズラン(lily of the valley)が強心配糖体を含む植物として挙げられていること。
  • Evaluation of Weight Loss Over Time in Cats with Chronic Kidney Disease(Freeman LMら・Journal of Veterinary Internal Medicine・2016年・英語)— 参照日 2026-11-02 / 使った箇所: 米国の慢性腎臓病の猫569頭で、診断前12か月の体重減少が中央値8.9%で、診断の3年前にはすでに減少が見られたこと。

編集部の計算・目安(上記の資料が示した値や基準ではありません)

  • 8.9%を4kgの猫に当てはめた値: 4kg × 8.9% = 約360g/年、12で割って約30g/月(サイト内の体重の記事と同じ計算)
  • 冒頭の囲み、結論の表、診断後の連絡の目安の表の急ぎ方(今すぐ/その日のうち/数日以内)と、「器から飲む量が体重1kgあたり100mL(4kgで400mL)」の線、脱水のサイン、「半日まったく食べない」「2回目を吐いたら今日中(高齢の猫・持病のある猫は1回で今日中。病気のサインの記事にそろえた線)・1日3回以上と水を飲んでも吐くは今すぐ」「診断後の猫は、いつもと違う吐き方をした・吐いたあと食べないときは1回でも今日中」「体重が2回続けて下がったら相談」「小さな塊がいくつも増えた・血が混じるはその日のうちに電話」「健康診断は年1回、10歳を過ぎたら年2回」「1歳未満で急に飲む量が増えたら量る前に受診」「吐き気や食欲不振のあるうちは療法食への切り替えを始めない」は、上記の資料ではなく、サイト内の多飲多尿・老猫がご飯を食べない・病気のサイン・トイレの回数・体重の平均と測り方・老猫は何歳から・吐く原因の記事の目安にそろえたものです。飲む量の線のもとになった定義の出典は、多飲多尿の記事に挙げています。成猫が丸1日・高齢や持病のある猫が半日食べないときは、多飲多尿の記事では今すぐ電話の行ですが、病気のサイン・老猫がご飯を食べないの記事にそろえて「気づいたらすぐ電話し、その日のうちに受診」としました。腎臓病と診断された猫の「食べる量がはっきり減った」「増えていた飲む量が急に減った」は、老猫がご飯を食べないの記事(量が減ったら翌日までに電話)・多飲多尿の記事(予定を待たずに受診)より急ぐ側の「その日のうち」に置いた編集部の目安です
  • 名前が分からない「リリー」の付く植物も今すぐ電話とするのは、スズランのように腎臓とは別の強い毒を持つ植物があることにもとづく編集部の線です。「腎臓ケア」の市販フードと療法食の違いの説明(パッケージに「療法食」と表示されること、一般のフードは療法食の代わりにならないこと)は、表示の規約の原文を確認できていないため、編集部の一般的な説明にとどめています。「5匹に1匹ほど」はiCatCareの約20%を言い換えた編集部の計算です
  • 慢性腎臓病と急性腎障害の比較表、症状の時期分け、治療の表は、上記の資料の記載を編集部が並べ直したもので、資料が示した分類ではありません。症状の表の「力が入らない(血液のカリウム不足)」はiCatCareの記載によります。比較表の急性腎障害の「年齢に関係なく、きっかけがあれば起こる」は資料の記述ではなく、ユリの中毒が年齢を問わないとするサイト内の多飲多尿の記事に合わせた編集部の補足です
  • 家での記録の量り方(器ごと量る・3日平均・月1回の体重・毎朝すくう)、療法食を自己判断で与えない、おやつやサプリメント(ささみ・煮干しを含む)を足す前に確認する、花束を猫のいる部屋に置かない、吐かせようとしない、人の薬を飲ませない、電話で伝えること、ユリ属の具体名(テッポウユリ・オニユリ・カサブランカ)は、資料の考え方とサイト内の記事をもとに編集部がまとめた一般的な注意で、資料の記述そのものではありません
  • 冒頭と説明文では、iCatCareの「約20〜50%」とコーネル大学の「最大80%」の2つの資料の値を並べて示しています
  • 有病率の数字が資料ごとに違う理由(調べた集団や方法の違いなど)は、資料に書かれていないため扱っていません。ステージ1・3の平均余命は、参照した資料に示されていなかったため書いていません

最終更新: 2026年11月4日(更新内容: 新規公開)

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