猫のご飯の量と回数|体重別の早見表とカロリー計算のやり方

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キャットフードの袋の裏には「4kgの猫 60g」とだけ書いてあります。ところが同じ4kgでも、避妊手術を終えて一日中寝ている猫と、まだ手術前でよく動き回る猫とでは、必要なカロリーが2割ほど変わります。袋の数字は出発点であって、答えではありません。

まず結論:4kgの成猫ならドライ1日約60g、2回に分けます

避妊・去勢を済ませた成猫に、400kcal/100gのドライフードを与える場合の早見表です。体重は「いまの体重」ではなく、理想体重で読んでください。

理想体重 1日に必要なカロリー ドライフードの量(1日)
3kg 約190kcal 約48g(1回あたり約24g)
3.5kg 約215kcal 約54g(1回あたり約27g)
4kg 約238kcal 約60g(1回あたり約30g)
4.5kg 約260kcal 約65g(1回あたり約33g)
5kg 約280kcal 約70g(1回あたり約35g)
6kg 約322kcal 約80g(1回あたり約40g)

使っているフードのカロリーが違う場合は、袋の「100gあたり◯kcal」を100で割って1gあたりのkcalを出し、真ん中の列のカロリーをそれで割ります。例:380kcal/100gのフードなら1gあたり3.8kcal。4kgの猫は238 ÷ 3.8 = 約63gです。

ウェットフードは100gあたり70〜100kcal程度と、ドライの4分の1以下です。同じg数を当てはめると大幅に足りません。85kcal/100gのウェットなら1gあたり0.85kcal。4kgの猫は238 ÷ 0.85 = 約280g、一般的な70gのパウチで1日4個ほどが目安です。ただしパウチは「一般食」「副食」表示の製品が多いため、主食にするなら「総合栄養食」の表示を必ず確認してください。併用する場合は、ウェットで与えたぶんのカロリーをドライから差し引きます。

ウェットを使わずドライ中心でいく場合は、水を飲みやすい環境も一緒に整えておくとよいとされています。水飲み場を複数置く、器を浅く広いものに替えるといった工夫です。

回数は成猫なら1日2回、時間は毎日ほぼ同じ時刻が基本です。以下は、この数字がどこから来ていて、どんなときに外れるのかの話です。

始める前の前提

この計算はどれも「主食が総合栄養食であること」が前提です。パッケージに「総合栄養食」と表示されたものを主食に選び、一般食やおやつは後述の1割の枠の中で使ってください。

また、この記事にはおやつを減らす、減量する、置き餌をやめるといった「減らす」方向の話が出てきます。その結果として猫が食べなくなったら、話は変わります。

丸1日まったく食べないときは、様子を見ずに動物病院へ連絡してください。猫は絶食が続くと肝リピドーシス(脂肪肝)を起こすことがあり、とくに太り気味の猫でリスクが高くなります。食べる量が半分以下の日が2〜3日続く場合も同じです。

袋の給与量表は「1日の総量」「理想体重」で読む

パッケージの給与量は、そのフードのカロリーをもとに平均的な成猫を想定して算出されたものです。そのため、最初の1袋はこの数字どおりで構いません。問題は、そこから調整しないまま何年も続けてしまうことです。

見落としやすいのが、給与量表は1日の総量だという点です。朝夕2回に分けるなら、表の数字を2で割ります。編集部にも「朝60g、夜60gあげていました」という相談が届いたことがあります。表の倍を与えていたことになりますが、健診で「少し増えていますね」と言われるまで、飼い主さんは表の数字どおりだと思い込んでいました。

体重の欄も、すでに太り気味の猫では「いまの体重」ではなく「理想体重」で読みます。いまの体重ぶんを与え続ければ、太った状態を維持することになるからです。ただし基準は製品によって異なるので、パッケージの記載も確認してください。

あわせて読みたい総合栄養食と一般食の違い

キッチンスケールでドライフードを計量しているところ

自分の猫の必要カロリーを計算する(4kgの避妊済みで約238kcal)

早見表から外れる猫(未去勢、減量中)は、自分で計算したほうが正確です。シニア猫は必要量の個体差が大きく、計算式だけでは決まりません(回数とあわせて後述します)。

次の2段階で求めます。

  1. 安静時のエネルギー要求量(RER)を出す
    体重(kg)——太り気味の猫は理想体重、それ以外はいまの体重——の0.75乗 × 70 = 何もせず寝ているだけで消費するカロリー(kcal)。これは消費量であって、与える量ではありません。
  2. 生活に合わせて係数をかける
    RER × 下の係数 = 1日に与えるカロリー

0.75乗は、スマホの標準電卓でも出せます。体重を3つかけ合わせて(体重×体重×体重)、そのあと√(ルート)を2回押すだけです。4kgなら「4×4×4=64」→√を2回で約2.83。これが4の0.75乗です。

猫の状態(成猫・1歳以上) 係数の目安
避妊・去勢済み 1.2
未避妊・未去勢 1.4
減量中 0.8〜1.0(計画は獣医師と)

子猫の成長期は必要量がこれよりずっと多く、妊娠中・授乳中はさらに変動します。表の係数は当てはまらないので、獣医師と決めてください。シニア猫は、健康診断のときに「いまの体重を維持するには何kcalか」を確認しておくと、家庭での計算の基準ができます。

4kgで避妊済みの猫なら、4の0.75乗が約2.83。これに70をかけると約198kcalです。さらに1.2をかけて、約238kcalが1日の目安になります。

あとはフードの「100gあたり◯kcal」から逆算します。100gで400kcalなら1gあたり4kcal。238 ÷ 4 = 約60g。袋の給与量表と近い数字になりました。メーカーによって想定する活動量や基準体重が違うため多少ずれる製品もありますが、近い数字であれば、カロリー面では袋どおりで始めて構いません。

計算が効いてくるのは、係数が1.2から外れるときです。同じ4kgでも未去勢の若い猫なら198×1.4で約277kcal、フードにして約70g。袋の「4kg=60g」のままでは1日10g足りません。

そしてこの猫が避妊・去勢手術を受けたら、係数は1.4から1.2に変わります。277kcal→238kcal、フードにして70g→60g。手術後も同じ量を与え続けて体重が増えた、という相談は編集部にもよく届きます。術後は回復を確認できしだい、遅くとも1か月以内には量を見直してください。

調整のしかた

この計算は出発点です。同じ条件でも必要量には個体差があり、実際に与えて体重がどう動くかのほうが確かな情報になります。

2週間ごとに体重を測ってください。人間用の体重計で抱っこして差を取る方法は100g単位なので、200gの増減を見るには誤差が大きすぎます。それでも、毎回同じ体重計・同じ時間帯(朝いちばん)で測れば傾向は追えます。確実に見たいなら、最大10〜20kg・5〜10g単位のペット用体重計(3,000円前後)を使うか、動物病院の体重計を月に一度使わせてもらってください。

4kgの猫なら5%は200gです。2週間で200g以上増えていたら1割減らし、変更後はまた2週間そのまま続けて測り直します。減量中の猫でも、減るペースは1週間あたり体重の0.5〜1%程度が目安とされ、これを大きく超える減り方は獣医師に相談してください。

体型は触って確かめる。肋骨が1本ずつ分かれば理想

体重の数字だけでは、その猫にとって適正かどうかは分かりません。骨格の大きさが違うからです。そこで獣医療で使われているのが、体型を触って点数化するボディコンディションスコア(BCS)です。

起きているときは逃げられるので、寝ている猫の背中を撫でるふりで確かめます。長毛種は毛に埋もれるため、指の腹を少し沈めて確かめてください。

  • 肋骨が浮いて見える/触ると角ばっている……痩せすぎです。フードを増やす前に、動物病院で体重減少の原因がないか確認してください。背景にある病気については後述します。
  • 薄い脂肪ごしに肋骨が1本ずつ分かる。上から見て腰にくびれがある……理想的な体型です。
  • 強めに押さないと肋骨が分からない。くびれが消えている……太り気味。
  • 肋骨に触れない。上から見てくびれがなく、横から見てお腹が下がっている……肥満。減量計画は獣医師と立ててください。

なお、下腹部のたるみが歩くたびに揺れるのは「原始袋(ルーズスキン)」という猫本来の構造で、適正体重の猫にもあります。これだけで肥満と判断しないでください。

体重計は小さな変化を数字で拾い、触診は骨格に対して適正かを判断します。どちらか一方ではなく併用が基本です。体重計に乗せたついでに、背中に手を滑らせる。2週間に一度、これで足ります。

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自宅でくつろぐ猫のわき腹に手を当てて体型を確かめるところ

1日何回に分けるか。成猫は2回、食が細ったシニアは3〜4回

猫はもともと、小さな獲物を1日に何度も捕らえて食べる動物です。その意味では、回数は多いほうが猫の習性に近いといえます。とはいえ家庭で無理なく回せるのは朝夕2回で、一般にもこの回数がすすめられています。

シニア期(一般に7歳以降)は、一度に食べられる量が減ってきたら1日3〜4回に分け、1回量をその分だけ減らす方法があります。1回量が減ることで消化器への負担も軽くなると考えられています。2回のままで問題なく食べられているなら、変える必要はありません。

ただし、急に一度に食べられなくなった背景には、歯周病や口内炎で口が痛いだけ、という場合もあります。食べ方が変わったときは、回数の調整より先に口の中を診てもらってください。

回数を増やすときに共通するのは、1日の総量を変えないことです。ここを見落とすと、増やした回数の分だけ食事量が増えます。留守が長い家庭では、1日分をまとめて計量してから自動給餌器に分け入れると、総量を保ったまま回数だけ増やせます。

なお、子猫は月齢によって回数が大きく変わり、成猫の2回とはまったく別の設計になります。詳しくは子猫向けの記事にまとめています。

あわせて読みたい子猫に餌をあげる1日の回数まとめ

回数の話でもうひとつよく聞かれるのが、いつでも食べられるようにしておく「置き餌」です。

置き餌にも良い面はあります

  • 留守が長い家庭では、空腹の時間を短くできる
  • ゆっくり少量ずつ食べたい猫には、食事のストレスが少ない

それでも置き餌をすすめない理由

  • どれだけ食べたか分からず、食欲の低下という異変の初期サインを見逃す
  • ドライフードは出しっぱなしで酸化が進み、においが落ちる(開封後は1か月を目安に使い切る)
  • 多頭飼いでは、どの猫がどれだけ食べたか把握できない
  • ウェットフードは、夏場なら20〜30分、それ以外の季節でも1時間程度で下げる(製品の指示を優先してください)

なお、置き餌の利点として挙げた2点は、「1日分を計量してから自動給餌器で分ける」方法でも得られます。総量を管理したまま同じ利点を取れるので、まずはそちらを検討してください。

1日分のドライフードを2つの器に分けたところ

時間は「何時か」より「毎日同じ時刻か」

何時に与えるかより、毎日ほぼ同じ時刻であることのほうが意味を持ちます。猫は生活リズムの変化に敏感で、食事の時間が日によってずれると要求鳴きが増えることがあります。

朝は起きてすぐ、夜は寝る2〜3時間前あたりが定番です。空腹の時間が長くなると、朝方に黄色い胃液を吐くことがあります。ただしこれは「よくあること」ではなく、続くなら異常のサインです。食事の配分で試せるのは、夜の1回を少し遅らせる、夕食をやや多めに配分する——この2つまで。1〜2週間試して変わらなければ、配分の問題ではありません。

次のどれかに当てはまる場合も、食事の配分で解決する話ではありません。

  • 吐く回数が週1回を超える
  • 食べたものをそのまま吐く
  • 体重が落ちている、食欲が落ちている

この場合は受診してください。

留守番が長い日にどうしても間隔が空くなら、自動給餌器で昼に1回を挟む方法があります。使うならドライフードが基本で、保冷機能のない機種にウェットフードを入れないでください。詰まりや電池切れで作動しないこともあるため、導入直後は在宅時に動きを確かめておくと安心です。

おやつは1日のカロリーの1割まで。4kgなら約24kcal

おやつを別枠だと考えている家庭は少なくありません。実際には、おやつも1日の総カロリーの一部です。目安として1割以内に収め、その分だけ主食を減らします。

先ほどの4kgの猫(238kcal)なら、おやつの上限は約24kcal。液状おやつは製品によって1本7〜15kcalと幅があるため、同じ2本でも収まる場合と超える場合があります。7kcalなら3本、15kcalなら1本半で上限です。パッケージのkcal表示を確認してください。

おやつを減らすと不機嫌になる猫には、量ではなく与え方を変える手があります。袋を開ける音を覚えていて、引き出しに手をかけただけで走ってくる子もいます。その期待に応えるのは回数のほうで構いません。1本を数回に分けて与え、ブラッシングや遊びとセットにしてごほうびの役割をはっきりさせる。こうすれば、猫が受け取る回数は変えないまま、総量だけを1割の枠に収められます。

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量を変えたのに体重が動かないとき

計算どおりに与えても動かない場合、まず疑うのは計量です。付属スプーンや目分量は、同じ「1杯」でも山盛りかすり切りかで10g近く変わります。1日60gの猫にとっては、それだけで2割近いずれです。1gまで測れるキッチンスケールを、台所ではなくフードの保管場所に置いておくと、計量が習慣として続きます。

それでも動かないなら、次を確認してください。

  • 家族の誰かが「もう一回」与えていないか(これがいちばん多い原因です)
  • 多頭飼いで、他の猫の分まで食べていないか
  • フードを変えたあと、100gあたりのカロリーが以前と違っていないか
  • フードの切り替えは7〜10日ほどかけたか(急に全量を変えると、下痢や食べ渋りの原因になります)

そして、意図しない体重減少は、それ自体が受診理由です。食欲があるまま減っていく場合は甲状腺機能亢進症や糖尿病、食欲が落ちながら減っていく場合は慢性腎臓病や歯の痛み、消化器の病気などが背景にあることも珍しくありません。どちらの場合も量の調整で様子を見ず、食事量の記録を持って動物病院で相談してください。

この記事について

公開されている一般的な情報をもとに編集部でまとめたもので、獣医師の監修は受けていません。個々の猫の診断や治療に代わるものではありません。持病のある猫、妊娠・授乳中の猫、子猫、シニア猫、減量に取り組む猫については、必ずかかりつけの動物病院の指示を優先してください。

まずは、いまの1食をキッチンスケールに乗せてみてください。早見表と比べれば、増やすのか減らすのかが数字で見えます。

エネルギー要求量の計算式と係数、体型評価の考え方は WSAVA「Global Nutrition Guidelines」、減量ペースは AAHA「Weight Management Guidelines for Dogs and Cats」(いずれも英語)、フードの表示と給与の考え方は環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」を参照しています。

最終更新:2026年8月19日(内容は更新時点の情報です)

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